著者
綿貫 啓子 外川 文雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.73, pp.79-84, 1995-07-20
参考文献数
8
被引用文献数
9

対話の進行とともに、人の感情は、気分が乗ってきたり退屈したりとさまざまに変化し、その感情が表情や音声に表われる。このような感情の変化をとらえることを目的に、本稿では、二人の対話過程で、いわゆる話が乗ってきて気分が高まる様子を、マルチモーダル対話データベースを基に解析した。その結果、気分の高まりとともに、音声や動作に以下の変化が現われることを確認した:)二人の発話量(時間)が等しくなってくる、)二人の発話の重複が多くなり、一方、沈黙の時間が減少してくる、)音声の平均ピッチが上昇する、)頭の縦振りとアイコンタクトが相補って現われる、)まばたきの間隔が長くなる。また、二人の感情の度合が同期し、協調しながら対話が進んでいくことが確かめられた。When communicating with computers, users may display a variety of emotions in faces and voices. Thus, in realizing more flexible and natural communications between humans and computers, we consider that computers need to know about their user's emotional state: whether the user is interested or not. In this paper, we describe some features which would convey the level of interest in the process of conversations: 1) the proportion of speaking time becomes nearly equal; 2) the proportion of time for utterance overlap increases, whereas the proportion of time for non-speaking (silence) becomes lower; 3) the mean F0 increases; 4) nodding and eyecontact serve to acknowledge the partner in a complementary way; and 5) the time intervals between blinks become longer. Further, we describe that there seems to be a shared level of interest between the two subjects in order to perform coordination.
著者
湯浅 夏樹 上田 徹 外川 文雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.8, pp.1819-1827, 1995-08-15
被引用文献数
25

本稿では、特徴ベクトルを用いて自動的に文書分類を行う二つの手法を提案する。一つは、大量の文書データを用いて、同一記事中の単語間共起関係から分野の特徴を表す単語出現頻度分布の近似値を求め、この値を要素とする特徴ベクトルを用いて文書を分類する手法である。もう一つは、EDRの辞書をシソーラスとして用い、単語間の類似度を求め、この単語類似度を要素とする特徴ベクトルを用いて文書を分類する手法である。これらの手法を人手による分類と比較したところ、単語間共起を用いた手法では83.5%の記事が正しく分類され、易しい記事だけに限定すれば98.0%の記事が正しく分類されることが確認できた。また、シソーラスを用いた手法では、63.75%の記事が正しく分類されることが確認できた。