- 著者
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大住 莊四郎
- 出版者
- 関東学院大学経済経営研究所
- 雑誌
- 関東学院大学経済経営研究所年報 (ISSN:13410407)
- 巻号頁・発行日
- vol.36, pp.115-130, 2014-03
AIは,ポジティブコアを活かしたありたいすがたを「未来の記憶」として共有し,それに至るタイムラインを創り実践していくことがその目的となる。このために,AIでは,基本的なアクティビティである「質問」「ダイアログ」「ストーリー」を組み立てていくことが,ポジティブサイクルをデザインする基本になる。「質問」ではサーキュラークエスチョンを核に4つのパターンを組み合わせて,情動記憶に基づくストーリーを引き出し,ダイアログでは,情動を活用した臨場感の高いダイアログが期待され,ストーリーでは,グループや組織レベルでの間接的なナラティヴを意図し,未来の記憶づくりとその実践につなげている。このようにAIでは,4Dサイクルのような全体のプロセスデザインにおける工夫だけではなく,個々のワークを構成する最小の活動単位である「質問」「ダイアログ」「ストーリー」においても,ポジティブサイクルを創造する設計がなされているのである。