著者
尾山 令仁
出版者
関東学院大学経済研究所
雑誌
経済系 (ISSN:02870924)
巻号頁・発行日
vol.234, pp.1-17, 2008-01

日本人と韓国人は,人種的にも文化的にも歴史的にも地理的にも政治的にも社会的にも,極めて近い関係にある。ところで,わが国のプロテスタント宣教より韓国のプロテスタント宣教は約25年遅い。それなのに,日本ではクリスチャン人口が0.5パーセントであるにもかかわらず,韓国ではすでに25~30パーセントに達している。どこにその違いの理由があるのか。国民性は確かに違う。この両者の国民性の相違の現実とその形成に果たしたものは何であったかを探る。そして,日本におけるキリスト教受容の今後の可能性を探る。
著者
尾山 令仁
出版者
関東学院大学経済研究所
雑誌
経済系 (ISSN:02870924)
巻号頁・発行日
vol.234, pp.1-17, 2008-01

日本人と韓国人は,人種的にも文化的にも歴史的にも地理的にも政治的にも社会的にも,極めて近い関係にある。ところで,わが国のプロテスタント宣教より韓国のプロテスタント宣教は約25年遅い。それなのに,日本ではクリスチャン人口が0.5パーセントであるにもかかわらず,韓国ではすでに25~30パーセントに達している。どこにその違いの理由があるのか。国民性は確かに違う。この両者の国民性の相違の現実とその形成に果たしたものは何であったかを探る。そして,日本におけるキリスト教受容の今後の可能性を探る。
著者
小林 正彬
出版者
関東学院大学経済研究所
雑誌
経済系 (ISSN:02870924)
巻号頁・発行日
vol.225, pp.77-94, 2005-10

岩崎彌太郎は,土佐(高知)地下浪人という低い階級の出身で,三菱という現在日本一のグループの創業者となった。しかし,政府後援の共同運輸との海商戦最中に死亡,その後の繁栄を見ていない。その50年の生涯を,戦前の同郷評論家の著書と,2004年に初めて公刊された岩崎家編集の傳記,そして,戦後,同郷入交好脩著と以後の研究を検討する。とくに少壮期の行動を通して,政府そして官僚,母美和との関係をみて,実像を再考したい。
著者
永岑 三千輝
出版者
関東学院大学経済研究所
雑誌
経済系 (ISSN:02870924)
巻号頁・発行日
vol.227, pp.53-67, 2006-04

ヒトラー・第三帝国によって行われたホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)は独ソ戦と世界大戦の過程で行われた。電撃戦勝利の甘い幻想がソ連の反撃で打ち砕かれる過程は,第三帝国占領下の諸地域における治安事情,軍需経済の事情,食糧事情,衛生事情,住宅事情などが総合的に悪化する過程でもあった。そうした第三帝国の敗退諸要因は,ドイツ占領下の各地域で露呈し,ソ連地域,ソ連とドイツの中間地帯(とくにポーランド)できわめて深刻であった。ポーランド総督府のユダヤ人がホロコーストの犠牲者となるのは必然となった。そうした関連性がとりわけ最初に鮮明に出てくるガリツィア地区に関して,若干紹介しておきたい。世界平和の構築・強靭化には,過去の悲劇を直視することが必要であり,その世界史的な悲劇を構成する諸要因・諸関連を冷徹に解明することがひとつの重要なステップとなると思われるからである。故野田敬一氏とは経済史の遠藤輝明ゼミの仲間として,世界の歴史から学び世界平和の構築・強靭化のためにともに歩んできたが,ここにその決意を新たにしつつ拙稿をご霊前にささげたい。
著者
四宮 正親
出版者
関東学院大学経済研究所
雑誌
経済系 (ISSN:02870924)
巻号頁・発行日
vol.237, pp.28-43, 2008-10

本稿は,第2次大戦前における日本の自動車流通販売について考察し,特に外国メーカーの近代的な自動車流通販売体制の導入と,そこでの外国メーカーとディーラーの関係に着目した。外国メーカーが採用したフランチャイズ・システムにもとづくディーラー網の構築と,潜在需要の開拓に結びついた販売金融制度は,従来の輸入代理商を通じての販売に比べると,日本の自動車市場を大きく開くことにつながった。ただし,自動車先進国アメリカの,成熟した自動車流通販売システムの日本への直接的な導入は,外国メーカーと傘下ディーラーの関係に大きな問題をもたらした。両者の関係は,必ずしも協力的なものとは言えず,むしろ抑圧的でさえあった。そしてそれは,フランチャイズ方式にもとづくディーラー・システム自体のもつ構造的な問題であったため,交渉力確保のためディーラーの組織化の動きを促した。
著者
関内 隆
出版者
関東学院大学経済研究所
雑誌
経済系 (ISSN:02870924)
巻号頁・発行日
vol.227, pp.95-112, 2006-04

自由党急進派として出発したチェンバレンは,自由党分裂を契機に結成された自由統一党の運動を通して,保守党の基盤変化に影響を与え,1895年に成立する統一党の政治基盤確立に寄与した。さらに,1903年に開始された彼の関税改革運動はこの統一党政治基盤の構成変化に大きなインパクトをもたらすことになる。保護主義と帝国特恵の手段で本国イギリスの「生産国家」再建を目指す関税改革運動は統一党の内部分裂を引き起こし,1906年総選挙での統一党大敗により,関税改革構想は一端,挫折の憂き目を見た。自由党政権の財政政策路線は,その後,関税改革構想に新たな政治的機能を与え,統一党はそれを公式政策として採用し,政治基盤も拡大した。だが,ここで党内勝利を果たした関税改革は,生産国家再建のために牽制し続けていた金融・商業利害,かつて自由党急進派として批判の的としていた地主的守旧利害に奉仕する政策となっていた。チェンバレンの政治活動と関税改革の党内勝利をめぐるパラドキシカルな結末がここに見て取れる。
著者
小山 嚴也
出版者
関東学院大学経済研究所
雑誌
経済系 (ISSN:02870924)
巻号頁・発行日
vol.215, pp.10-23, 2003-04

本稿では,企業に対するある特定の要請の発生から社会的要請の形成に至る一連の過程について,issue マネジメント論の成果,ステイクホルダーの概念,社会問題の社会学の理論などを手がかりにしながら考察する。 そもそも,ある特定の要請は,期待される企業活動と現実の企業活動との間にギャップが存在し,その様なことは問題(issue)であると特定のステイクホルダーが認識するところから生まれる。そして,その様な要請に対する企業側の応答とも相俟って,他のステイクホルダーによるissueの認識,共有,特定の要請への正当性の付与がすすみ,ある特定の要請が,その「強度」を強めながら「存在範囲」を社会全体に広げたときに,その様な要請は社会的要請となる。その過程では,issueの複合,連鎖によって,複数の要請が併存するかたちで社会的要請が形成されたり,新たな要請が社会的要請化していくことがある。また,当初の要請が個別企業に対するものであった場合,issueの共有やissueの連鎖などに伴って要請の対象が個別ないし特定企業から企業全般へと変化することもある。
著者
布能 英一郎
出版者
関東学院大学経済研究所
雑誌
経済系 (ISSN:02870924)
巻号頁・発行日
vol.245, pp.100-118, 2010-10

In two player competitions, the Bradley-Terry model is a well-known probability model. This model shows that the propability that player i wins is the power of player i divided by the power of player i plus the power of player j in the battle between player i and player j. When "players" mean baseball, soccer, or football teams, some teams might be combined or restructured in next season.In this paper we discuss the maximum likelihood estimation of the power of each team for this problem. Obtaining the MLE by using iterative scaling procedures is also discussed.
著者
吟谷 泰裕
出版者
関東学院大学経済研究所
雑誌
経済系 (ISSN:02870924)
巻号頁・発行日
vol.247, pp.18-27, 2011-04

有効需要の不足が原因で失業が生じている体系において、名目賃金を合理的かつ有意な水準に決定することを試みる。このとき、資本と労働が非代替である生産関数を設定し、賃金に関する任意の方程式を追加することなく名目賃金を決定する。そして名目賃金を歴史的に所与にすると有効需要は内生的に決まるが、その下方硬直性が失業の原因になるという点で、体系がニューケインジアン理論の体系に転化することを示す。
著者
大住 莊四郎
出版者
関東学院大学経済研究所
雑誌
経済系 (ISSN:02870924)
巻号頁・発行日
vol.232, pp.27-45, 2007-07

厳しい財政制約のもと,増大し多様化する市民ニーズへの対応,都市間競争から求められる特徴ある都市機能の強化に向けて,都市・自治体への戦略マネジメントの適用が求められている。しかしながら,その方法論は必ずしも確立されてはいない。本論では,大住(2005)における自治体への戦略マネジメントモデルがより有効に機能するために,民間企業における顧客価値に基づく戦略パターンを公共組織への適用可能なかたちに修正することを試みた。公共組織では,四つの市民価値を設定しこれらに基づく戦略パターンを適用することで,戦略の選択やその具体化が容易になる可能性が確認された。
著者
大住 莊四郎
出版者
関東学院大学経済研究所
雑誌
経済系 (ISSN:02870924)
巻号頁・発行日
vol.232, pp.27-45, 2007-07

厳しい財政制約のもと,増大し多様化する市民ニーズへの対応,都市間競争から求められる特徴ある都市機能の強化に向けて,都市・自治体への戦略マネジメントの適用が求められている。しかしながら,その方法論は必ずしも確立されてはいない。本論では,大住(2005)における自治体への戦略マネジメントモデルがより有効に機能するために,民間企業における顧客価値に基づく戦略パターンを公共組織への適用可能なかたちに修正することを試みた。公共組織では,四つの市民価値を設定しこれらに基づく戦略パターンを適用することで,戦略の選択やその具体化が容易になる可能性が確認された。