著者
森 昭雄 大友 英一
出版者
認知神経科学会
雑誌
認知神経科学 (ISSN:13444298)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.45-48, 2001 (Released:2011-07-05)
参考文献数
11
被引用文献数
7

1 0 0 0 弛緩性麻痺

著者
大友 英一
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.6-7, 1977-01-01

運動麻痺は麻痺に伴う筋肉のトーヌスの異常状態から痙性麻痺spastic paralysisと弛緩性麻痺flaccid para—lysisに分けられる。痙性麻痺は筋トーヌスの亢進したもので上位運動neuronの障害が原因であり,必ず脳または脊髄の病変によるものであり,下位運動neuron障害または筋疾患ではみられない。弛緩性麻痺は筋トーヌスの減弱したもので下位運動neuron障害によることが多いが,上位運動neuronの障害時にも出現する。即ち,脳,脊髄の急激な病変による場合,初期は弛緩性麻痺を示すことが多い。この最もよい例は脳卒中による片麻痺の急性期の場合である。 弛緩性麻痺では筋肉のトーヌスは減弱し筋肉は柔く触れ,伸展性がより大となり,通常の運動範囲を越え,反対の方向にも動き得る様になる。