著者
広瀬 秀顕 井上 謙一 一條 宏 小金澤 紀子 大場 健嗣 大原 慎也 筧 慎治 飯島 敏夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.87, no.4, pp.265-271, 2004-04-01

脳神経細胞集団の動態をいかにとらえ,どこまで解析できるかが今後の高次脳機能研究展開の成否を左右するといってもよいかもしれない.現在,種々の手法を用いてその取組みが精力的になされている.方法はおおむね2群に分かれる.すなわち神経の膜電位や膜電流変化などの計測により,神経活動そのものをとらえる方法と,神経活動に伴う脳内の代謝性シグナル変化を計測して,脳活動を間接的に測定するものである.短時間のうちに時間的,空間的に大きく変動する神経活動のダイナミックスをとらえ,解析するには前者の,脳活動の一次シグナル計測が主体となる.