著者
中野 敬之 大場 正明
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.331-336, 1998-09-05
被引用文献数
3

中, 低級茶の価格が低迷しているため, 上級茶の原材料である一番茶の良質・多収化が益々重要になっている.そこで, 一番茶を多収にする前年二番茶の収穫方法を明らかにするため, 二番茶収穫の時期と摘採位置が翌年一番茶に及ぼす影響を三番茶不摘採園において調査した.その結果, 二番茶を早期に収穫すると, 翌年一番茶は新芽数が減少し, 減収した.また二番茶の摘採位置が高いと.翌年一番茶は新芽数が少なく, 生育が遅れて減収した.収穫時期および摘採位置の交互作用については, 早期に摘採位置を上げて二番茶を収穫すると秋に徒長枝と着蕾数が増加したが, 翌年一番茶への影響は認められなかった.三番茶不摘採園では, 新芽数が少ないことが一番茶の減収要因になりやすいので, 二番茶を晩期に摘採位置を低く収穫した方が翌年一番茶の増収をもたらすと結論された.
著者
大場 正明
出版者
日本茶業技術協会(農林省茶業試験場内)
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1979, no.50, pp.6-11, 1979
被引用文献数
2

チャノコカクモンハマキ合成性フェロモンの茶園における誘殺について誘蛾灯と比較検討した。<BR>1) 第1回成虫では初飛来日は誘蛾灯と同時期で終息日はフェロモントラップの方が早めであった。その他の世代は年によって変動がみられた。誘殺最盛日は第1,4回成虫はほぼ同じ時期であったが,第293回はフェロモントラップの方がやや早めであった。誘殺数についてはフェロモントラップは第2,3回成虫数が少なかった。図1,2のように2年間の発生消長グラフからフェロモントラップは誘蛾灯と高い類似性がみられた。<BR>2) プラスチックカプセル担体のフェロモンの誘殺力の持続日数は約30日間であったが,発生消長をは握するだけなら40日間くらいは十分使用できるものと考えられた。<BR>3) 野外におけるフェロモントラップの誘殺時刻調査では,22~23時の誘殺数がもっとも多かった。<BR>終りに本試験の遂行にあたり調査の御援助を頂いた稲木浩之技師(現東部農業事務所)に感謝の意を表します。