著者
松田 紫恵 大屋 賢司 柳井 徳磨 柵木 利昭 福士 秀人
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.143-147, 2009-02-20 (Released:2016-09-03)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

臨床症状よりオカメインコの開口不全症候群と診断された1~2カ月齢のオカメインコの死亡例5例,口腔スワブ4検体を微生物学的,病理学的に検索した. 複数種の細菌が分離され,最も高率にBordetella avium (5/9例)が分離された. 分離されたB.aviumの全菌株は,Bordetella属菌が産生し病原性発現に関与する皮膚壊死毒素遺伝子を保有していた. 組織学的検索では,咬筋をはじめとする嘴の開閉運動筋の筋線維は変性・壊死,消失,筋線維間には炎症細胞が浸潤,細菌塊が認められた. 病変の進行した領域では線維芽細胞の増殖が著しく,高度に器質化していた. 分離B. aviumの薬剤感受性試験を実施した結果,β-ラクタム系,アミノグリコシド系およびテトラサイクリン系薬剤に高い感受性を示した.
著者
大屋 賢司 福士 秀人 奥田 秀子 原崎 多代
出版者
岐阜大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

主要な人獣共通感染症の原因となるChlamydia psittaciの、細胞内増殖性と多様な宿主域に関して、Pmpの多様性を通じて明らかにすることを目的とし以下の成果を得た。1)Pmpファミリーの比較ゲノミクス:クラミジア種間だけでなく、株間でも、pmpの多様性が確認された。2)Pmpファミリー発現プロファイル解析:恒常的に発現しているPmpファミリー分子の他、PmpG11のように感染中期以降に発現するファミリー分子が明らかとなった。3) C. psittaci特異的なPmpの機能解析:PmpG11について、病態形成にへの関与は不明であったものの、診断用抗原としての有用性を明らかにした。