著者
大山 万容
出版者
京都大学大学院人間・環境学研究科
雑誌
人間・環境学 (ISSN:09182829)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.121-132, 2012-12-20

本稿では, フランスにおけるニューカマーの子どもに対する受け入れ政策と, 雷語教育支援の特般について論じる. フランスは国際社会においては欧州評議会の言語政策部門が提唱する複言語主義(plurilingualism) を標榜するが, 国内の移民に対する政策にその主張はどのように反映されているのだろうか. 本稿ではフランスにおける移民の定義について概観した後, 政策の実践例として, フランスの「ニューカマーおよびロマの子どものための学校教育センター」(Centre Academique pour la Scolarisation des Nouveaux Arrivants et des enfants du Voyage :CASNAV) を取り上げ, その設立に至る背景, ニューカマーの子どもと学校教師への支援のあり方とその課題を明らかしその取り組みにおける複言語主義との組離を示す. 最後に社会統合のための複言語主義教育の可能性について考察する.
著者
大山 万容 モーア ダニエル ピアース ダニエル・ロイ 入澤 佳菜 北野 ゆき
出版者
日本フランス語教育学会
雑誌
Revue japonaise de didactique du français (ISSN:18805930)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1-2, pp.25-41, 2021 (Released:2022-01-28)
参考文献数
26

日本では外国語としてのフランス語教育(FLL)の研究者の多くが,大学レベルでのFLL推進の論拠として複言語主義に言及してきた(茂木,2018)が,複言語教育の実践そのものについての研究は少ない。2020年4月から小学校外国語教育が必修化されたが,英語のみの政策への抵抗として複言語教育を模索する実践者もいる。本稿では,西日本の2つの小学校で実践されている言語への目覚めアプローチを中心に,2つの複言語教育の事例を検証する。本論文は,1)日本の次世代のための,非エリート主義的で持続可能な外国語教育について,2)教育政策がますます英語偏重になりつつある日本での,言語への目覚め活動を中心とした複言語教育実践について,そして最後に,3)中国語,韓国語,フランス語など,都市の言語景観に存在する言語を教室で教えることの価値について議論する機会を提供する。
著者
大山 万容
出版者
京都大学大学院人間・環境学研究科
雑誌
人間・環境学 (ISSN:09182829)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.121-132, 2012

本稿では, フランスにおけるニューカマーの子どもに対する受け入れ政策と, 雷語教育支援の特般について論じる. フランスは国際社会においては欧州評議会の言語政策部門が提唱する複言語主義(plurilingualism) を標榜するが, 国内の移民に対する政策にその主張はどのように反映されているのだろうか. 本稿ではフランスにおける移民の定義について概観した後, 政策の実践例として, フランスの「ニューカマーおよびロマの子どものための学校教育センター」(Centre Academique pour la Scolarisation des Nouveaux Arrivants et des enfants du Voyage :CASNAV) を取り上げ, その設立に至る背景, ニューカマーの子どもと学校教師への支援のあり方とその課題を明らかしその取り組みにおける複言語主義との組離を示す. 最後に社会統合のための複言語主義教育の可能性について考察する.