- 著者
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上平 崇仁
大岡 美早紀
安岡 美佳
- 出版者
- 一般社団法人 日本デザイン学会
- 雑誌
- 日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第64回春季研究発表大会
- 巻号頁・発行日
- pp.408, 2017 (Released:2017-06-29)
人々が協働でデザインするために,相互理解を促進するような道具が求められている.本稿では,デザイン実践者たちがパートナー達と協働で自分たちのデザイン実験の場を構想していくためのツールについて報告する.研究の目的は,協働のデザインにおける実験環境として、日本ではまだ知見の少ないリビングラボの概念の整理を行うこと,それをもとに専門家と一般の参加者が同じテーブルの上で対話し、楽しく考えることができるゲーム(ツールキット)の開発を行うこと.の2点である.当該ゲームを用いて複数回のテストを行った結果,ゲームの手順は比較的容易に理解でき,カードとモデルによって対話を薦めていく体験には良好な手応えを得た.複雑な概念でもプレイフルな仕掛けを埋め込むことで理解しやすくすることはできることについて示唆を得た.実施結果をもとに,言葉が先行することによる危険性,建物メタファの妥当性,10の観点および質問の妥当性,キットにおけるゲームの功罪,の4つの視点から考察と検討を行った.