著者
上平 崇仁 鈴木 望果 星野 好晃
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第66回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.372, 2019 (Released:2019-06-27)

デザインにおいて、問題解決の前に、問題自体を問うことは、既にある価値観や信念に対して疑いの目を向け、思考の枠組みを切り替えるための重要であるが、あまり学習の中では重視されていない。本稿では、学校や企業などのデザイン学習者を主対象とした、多角的な視点から「問い」を生成するための発想ツールについて報告する。研究の目的は、前提を乗り越えるための問い方の技法に関しての検討を行い、誰でも使えるようなツールのデザインを行うこと、及び、そのツールの評価を行い、有用な知見を見出すことである。先行事例としてのHow might we Question、弁証法、ロールプレイイング法を組み合わせて、問いの発想ツール「委員長とギャル」の開発を行った。当該ツールの試験運用を行った結果、ロールプレイを行ったことで通常の発想法では生まれない突飛な発言が自然に生まれていたこと、一旦否定をはさむことで暗黙の前提を破壊することができたこと、この2点から参加者が楽しみながら発想に利用することができることを確認した。
著者
上平 崇仁 石井 光恵 笠尾 敦司
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.48, pp.194-195, 2001-10-15

An outline of Workshop "Obakation" is that children ask university students to make characters from their ideas of obakes (japanese monsters) and university students make obake stickers from the characters to enable children to exchange, then, children construct stories in exchanging the obake stickers, and they create picture books having the stories. The purpose of "Obaketion" is to make children to write creative picture books by combining properly with the following four keywords for creative, "Nature", "Monster", "Exchange of Stickers", "Picture Books". This presentation show our purpose has been achieved through the picture books as their works and some results of questionnaire survey.
著者
上平 崇仁 大岡 美早紀 安岡 美佳
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第64回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.408, 2017 (Released:2017-06-29)

人々が協働でデザインするために,相互理解を促進するような道具が求められている.本稿では,デザイン実践者たちがパートナー達と協働で自分たちのデザイン実験の場を構想していくためのツールについて報告する.研究の目的は,協働のデザインにおける実験環境として、日本ではまだ知見の少ないリビングラボの概念の整理を行うこと,それをもとに専門家と一般の参加者が同じテーブルの上で対話し、楽しく考えることができるゲーム(ツールキット)の開発を行うこと.の2点である.当該ゲームを用いて複数回のテストを行った結果,ゲームの手順は比較的容易に理解でき,カードとモデルによって対話を薦めていく体験には良好な手応えを得た.複雑な概念でもプレイフルな仕掛けを埋め込むことで理解しやすくすることはできることについて示唆を得た.実施結果をもとに,言葉が先行することによる危険性,建物メタファの妥当性,10の観点および質問の妥当性,キットにおけるゲームの功罪,の4つの視点から考察と検討を行った.
著者
上平 崇仁
出版者
専修大学情報科学研究所
雑誌
専修大学情報科学研究所所報
巻号頁・発行日
no.80, pp.1-9, 2013-06

北欧のデザインの文化を参照する上で,プロダクトやインテリアだけではなく,公共空間におけるコミュニケーションのデザインにどのような配慮を行われているのかを分析することは重要であると考えられる.そこでコペンハーゲン(デンマーク)とストックホルム(スウェーデン)を訪れて実地調査を行った.本稿はその時に採集を行った写真とメモを整理したものである.北欧の街中に溶け込んでいるデザイン事例を日本人の筆者の視点から解釈し、コミュニケーションデザインの観点からの考察を行い,日本の側の読者に両国のデザイン文化について紹介する.
著者
上平 崇仁 鈴木 望果 星野 好晃
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.66, 2019

<p>デザインにおいて、問題解決の前に、問題自体を問うことは、既にある価値観や信念に対して疑いの目を向け、思考の枠組みを切り替えるための重要であるが、あまり学習の中では重視されていない。本稿では、学校や企業などのデザイン学習者を主対象とした、多角的な視点から「問い」を生成するための発想ツールについて報告する。研究の目的は、前提を乗り越えるための問い方の技法に関しての検討を行い、誰でも使えるようなツールのデザインを行うこと、及び、そのツールの評価を行い、有用な知見を見出すことである。先行事例としてのHow might we Question、弁証法、ロールプレイイング法を組み合わせて、問いの発想ツール「委員長とギャル」の開発を行った。当該ツールの試験運用を行った結果、ロールプレイを行ったことで通常の発想法では生まれない突飛な発言が自然に生まれていたこと、一旦否定をはさむことで暗黙の前提を破壊することができたこと、この2点から参加者が楽しみながら発想に利用することができることを確認した。</p>
著者
上平 崇仁
出版者
専修大学情報科学研究所
雑誌
専修大学情報科学研究所所報
巻号頁・発行日
no.82, pp.9-14, 2014-02

デザインのように人間の創造性が関わる営みにおいては,単発のアイデアよりも,対象が変わっても新鮮なアイデアを生産し続けられる良質な方法や考え方を体得できるかが重要となる.そこで,我々の思考を水面下で支えている身体の位置づけについて再考するために,演劇分野で行われてきたインプロビゼーションを取り入れたトレーニングとその応用事例としてのワークショップを紹介する.デザイン教育におけるインプロの効果として, 1)発想トレーニング, 2)チームビルディング, 3)寸劇の場面描写スキル,の3つを上げ,特に1)の発想トレーニングとして,ブレーンストーミングとの深い関係性を追いながら,デザインにおけるアイデア発想における身体性,その学びがもたらす意味について考察する.
著者
上平 崇仁
出版者
専修大学情報科学研究所
雑誌
専修大学情報科学研究所所報
巻号頁・発行日
vol.90, pp.1-8, 2017-07-31

情報過多時代のコミュニケーションデザインにおいては,従来の発信者と受信者を一方通行として捉える伝達型モデルを超えた統合的な仕組みをデザインする必要がある.ここでは新しく関係を生み出すものとして生成的なコミュニケーションデザインを仮定し,その生成的な行為を生み出す社会的な原理について,贈与の視点を提案した.また,その具体的な事例として大学の宣伝活動と進路を決める高校生の関係をデザインすることを目的として「つなぐカフェ」を企画と実践を取り上げ,贈与の視点から解釈を行い出来事の意味を整理した.また課題として自発的な贈与を生むような継続的な信頼関係を育む土壌が必要となることを指摘した.This paper discusses a viewpoint of gifting in generative communication design. It is important for us who live in excessive information society to design generative communication beyond traditional transmission model. I proposed a viewpoint of gift as a social principle that creates that activity. In addition, as a case study, we practiced a "tunagu cafe" aimed at designing the relationship between the advertisement of the university and the high school students who suffer from career path.
著者
上平 崇仁
出版者
専修大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では,グローバル化する社会の人々のための重要なコミュニケーション手段として,言語の制約を超える視覚伝達に焦点をあてたデザイン学習ツールキットの開発を行った.10点のデザイン学習ツールの試作,開発,ワークショップを実施し,研究を通して,専門家が少ない環境でも道具によって人々の中に関心が生まれ.そこから学習を支援するきっかけをつくることはできることがわかった.また異なる言語/異文化間においては精度の高いコミュニケーション方法を学ぶよりも,異なる知見を持ち寄った協業を実践することが重要であるという結論に至り,生産的なコミュニケーションを生み出すツールのデザインを生み出すことに焦点を当てた.