著者
大島 幸代
出版者
龍谷大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、中国において多様に展開した護法神像の造形化について、その理由と歴史的背景を解明しようとするものである。現地調査による造像作例の所在・基本情報の獲得と、文献・石刻史料にみられる造像記録等の博捜・収集を通して、その後の分析につなげるための基礎資料データの集成を目指した。その過程で、南北朝時代から隋唐代にいたる護法神像の全体像を構築する糸口として、1.唐代以降に姿を消した正体不明の護法神の位置づけ、2.インド・西域と中国との間を往来した伝法の高僧と護法神との関係、3.高僧信仰・羅漢信仰の文脈との照合によって、仏教の外に存在する神々と護法神との関係、という3つの視座を得た。
著者
大島 幸代
出版者
早稲田大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2010

中国仏教美術にみられる護法神像の中から、特に金剛力士像と天王像が造形の上で明確に差別化される時期や事情を探るために、関係する造形作品や史資料の収集、整理という研究基盤の整備を行った。旧東魏・北斉地域の山西・河南・山東省を主たる調査地とし、作品情報を収集した結果、今後検討対象とすべき重要作品を抽出することができた。また、護法神像の造立記録が残る高僧について、関連史資料の収集と検証も行った。