著者
五十嵐 愛子 愛甲 美穂 大平 吉夫 今井 亜希子 守矢 英和 日高 寿美 大竹 剛靖 小林 修三
出版者
一般社団法人 日本フットケア学会
雑誌
日本フットケア学会雑誌 (ISSN:21877505)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.130-134, 2017-09-30 (Released:2017-09-30)
参考文献数
5

【要旨】当院では 2011年6月より月 2 回フットウェア外来を開設し,義肢装具士とともにフットケア指導士である看護師が介入する外来を行っている.今回,当外来の受診率,基礎疾患,切断部位など横断的研究を行い,フットケア指導士の役割を検討した.2015年6月末までの 4 年間に当外来を受診した患者数は 304 名(延べ 1,614 名),男性 133 名,平均年齢 64 歳であった.基礎疾患は糖尿病 129 名,慢性腎臓病(CKD) 91名(透析 76 名),関節リウマチ 14 名であった.末梢動脈疾患(PAD)合併患者が 81 名で,下肢潰瘍の患者は 62 名であった.大切断 13 名,足趾切断 34 名,外反母趾などの足変形が 94 名であった.受診状況は終了 156 名,中断 65 名,継続中 83 名であり,通院継続率は 78.6% であった.フットウェア外来におけるフットケア指導士の役割は,外来補助を行いながら同時に必要なケアや教育を行うことにあると考える.外来受診時に行うケアや教育により,フットウェアの重要性を繰り返し教育することが可能となり,通院継続率を比較的高く保つことに貢献できたと考える.
著者
大平 吉夫 上口 茂徳
出版者
日本下肢救済・足病学会
雑誌
日本下肢救済・足病学会誌 (ISSN:1883857X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.8-16, 2015 (Released:2015-03-31)
参考文献数
6

要旨:機能するフットウェア(足底装具,靴型装具)や短下肢装具を提供するためには適切なアセスメントが重要であり,神経障害や血流障害の有無以外にも関節可動域やポジション,動きの質などの機能的評価が必要とされる.それらアセスメントの情報が少なければ機能するフットウェアの作製は困難である.フットウェアを機能させるためには治療プログラムが重要となる.フットウェアは適切に装着して使用することで効果を得ることができ,適切な装着と使用を促す環境が必要とされる.本邦は糖尿病足病変に対するフットウェアの総論(前編)に続く後編であり,より機能的なフットウェアを提供すること,フットウェアが機能する治療プラグラムを中心にまとめている.
著者
久保 和也 松本 純一 村田 健児 大橋 聡子 井澤 克也 山崎 知美 寺部 雄太 大平 吉夫 安藤 弘
出版者
日本下肢救済・足病学会
雑誌
日本下肢救済・足病学会誌 (ISSN:1883857X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.81-84, 2013-06-28 (Released:2013-06-28)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

【目的】糖尿病・末梢動脈疾患患者における足底部創傷部位と足関節背屈可動域との関係を明らかにすることとした.【対象と方法】糖尿病・末梢動脈疾患患者15例27肢(男性18肢,女性9肢,平均年齢69.9±9.4歳)を対象とした.年齢,糖尿病・人工透析の有無,足関節可動域,膝関節可動域,足底部創傷部位,機能的自立度評価表(FIM)移動項目,足関節上腕血圧比,皮膚灌流圧をカルテより後方視的に抽出した.足底部創傷部位は横足根関節より遠位を前足部とし,前足部・後足部に分類した.足関節背屈可動域0°以下を制限あり群とし,なし群との2群間比較を行った.【結果】制限あり群に前足部創傷を有する者が有意に多かった(p<0.01).【結語】前足部に創傷を有する患者の足関節背屈可動域訓練の関連性が示唆され,創傷予防・治療の一貫として足関節背屈可動域拡大は十分な介入効果を認める可能性がある.