著者
大本 亨 佐治 健太郎 加葉田 雄太朗
出版者
北海道大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

特異点判定法を用いた研究として,以下のテーマを扱った.(1)曲面の射影微分幾何における局所理論(ダルブー・ヴィルチンスキ)の復興とその応用を目指し,特異点論の手法による研究を進展させた.(2)幾何的代数と特異点論を用いて線織面や線叢などに現れる特異点の微分直線幾何を発展させ,応用幾何学における新しい可能性を示唆した.(3)射影空間内の曲線および曲面に係る古典的数え上げ幾何を整理して,ヴィジョン理論への特性類理論からの新しいアプローチを提案した.(4)判定法の基礎付けとして,判別集合(自由因子)の対数的微分加群とA-接空間の関係について考察した.
著者
佐伯 修 佐久間 一浩 大本 亨 岩瀬 則夫 小林 真人 山本 稔 安藤 良文 高山 晴子 高瀬 将道 山本 卓宏 高田 敏恵 奥間 智弘
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

多様体間の可微分写像に現れる特異点を大域的観点から研究し,その特異点と多様体の微分位相幾何学的性質について種々の新しい知見を得た.たとえば,多くの位相的4次元多様体の上には無数の可微分構造があることが知られているが,そのうちで特異点が簡単な写像を許容する可微分構造は一意的であることが示された.またそうした大域的研究が特異点の局所的研究に役立つ例も発見した.こうして,写像の特異点や特異ファイバーと,多様体や写像の同境類の間の深い関係を明らかにし,多くの具体的成果を得た.