著者
古屋 貫治 西中 直也 鈴木 昌 松久 孝行 小原 賢司 磯崎 雄一 大澤 一誉 田鹿 佑太朗 木村 亮介 筒井 廣明
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.593-597, 2019

<b>【目的】</b>プロ野球投手のメディカルチェック(MC)でみられる,MR画像のposterosuperior impingement(PSI)と身体機能 との関係は不明である.今回,PSIと当院で重視しているゼロポジション保持機能との関連性について検討した.<BR><b>【方法】</b>当院のMCで,2年連続でゼロポジション保持機能と投球側MR画像を調査しえたプロ野球投手8名を対象とした.ゼロポジション近似肢位での外旋筋力(Zero外旋),肘伸展筋力(Zeroリリース)を両側測定し,MR画像の経年変化でPSI不変群4例と増悪群4例を比較した.<BR><b>【結果】</b>両群ともZero外旋,Zeroリリース,Zero外旋/リリース比は左右差がなく,投球側のZero外旋/リリース比のみPSI増悪群で有意に高かった(p=0.0209).<BR><b>【結論】</b>PSIとZero外旋、Zeroリリースの筋力は相関がみられなかったが,投球側のZero外旋/リリース比には相関がみられた.画像でPSI所見がみられた場合は新たな障害発生のリスクとなる可能性があるため,注意深く経過を診ていく必要がある.