著者
筒井 廣明 山本 龍二 安楽 岩嗣 三原 研一 今里 有紀彦 保刈 成
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.13-17, 1991-09-01 (Released:2012-11-20)
参考文献数
11

The shoulder joint is the most mobile joint in the body combined with a small glenoid and a large humeral head. This joint has been thought to be an unstable joint because of its anatomical structure and the recurrence rate from initial dislocations. Our opinion of this joint is that it has most distinguished stabilizing mechanisms for keeping a wide range of motion.1. The first stabilizing mechanismThis mechanism is the bony combination of the radius between the glenoid cavity and the humeral head. The anatomical study showed the radius of a cross section of the glenoid was 16.8 mm and of the humeral head 22 mm. The computation of the maximum permissible kinetic vector that enables the humeral head to be on the glenoid was 43°.2. The second stabilizing mechanismThe second mechanism is the function of the anterior capsule including the inferior glenohumeral ligament.The anterior capsule works involuntary in both its tension and direction as the centripetal force does against the shear force.3. The disadvantages of these two stabilizing mechanismsThe disadvantages of these two stabilizing mechanisms are; - Inefficiency against the increased anterior kinetic vector during the positioning of the upper extremities vertically against the glenoid- The decrease of bony structural intensity compared with other joints such as the hip joint.4. The third stabilizing mechanismThe third stabildzing mechanism is the function of the shoulder girdle.Its first function is the mobility of the scapula working as shock ab s orber against the share force that falls on the glenohumeral joint.The second is the function of the shoulder girdle muscles such as the pectoralis major and the deltoid.In conclusion, therefore, a normal shoulder joint should be the most distinguished joint with these stabilizing mechanisms physically and anatomically maintaining a wide range of motion.
著者
鈴木 一秀 筒井 廣明 三原 研一 牧内 大輔 西中 直也
出版者
Japan Shoulder Society
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.489-492, 2007

The purpose of this study was to clarify the condition of reattachment of the labrum to the glenoid rim after an arthroscopic Bankart procedure using suture anchors with an MR arthrography (MRA). We studied 48 cases ( 35 males and 13 females) after surgery with a recurrent anterior dislocation or subluxation. The patients ranged in age from 16 to 53 years old (average, 24.7). An MRA was performed at an average 11.8 months after the operation. In the MRA with an axial image and an oblique axial image in abduction and external rotation (ABER) position, we evaluated the invasion of contrast materials between the labrum and glenoid rim using the inferior 6 slice images of the glenoid rim. The 576 slices were categorized into 1 of 3 groups : good, fair, and poor. We used the JSS Shoulder Instability Score (Instability Score) for clinical evaluation. Axial images (total of slices : 288) revealed good (83.3%), fair (14.9%), and poor (1.7%). Oblique axial images in the ABER position (total of slices : 288) revealed good (77.43%), fair (19.8%), and poor (2.8%). The clinical results using the Instability Score had no significant differences between the group that had all good results in six slices and the group that had fair or poor results more than 1 slice in 6 slices of axial images and oblique axial image in the ABER position. The healing of IGHL-LC to the medial glenoid neck was recognized in 97-98% of the total slices. A non-union or re-avulsion of the labrum to articular cartilage of the glenoid were recognized in 15 to 20 % of the total slices, however the clinical results of arthroscopic Bankart repair were satisfactory.
著者
山口 光國 筒井 廣明
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.805-808, 2009 (Released:2010-01-29)
参考文献数
7
被引用文献数
6

We investigated the movement of the shoulder girdle which included the humerus position that athletes need to throw. We examined the movement of the shoulder girdle and relations with the state of the shoulder which we were aware of. The materials were 53 athletes to know their throwing movement. Their average age was 17 - 38 years old. (average 24.4±4.8) The results, the shoulder condition and the relations with the range of motion accepted middle-class correlation for the external rotation and internal rotation movement in the state of 90° flexion. The shoulder condition and the relations with the movement of the shoulder girdle accepted strong correlation in anterior, superior, inferior and the posterior recognized middle-class correlation. The result of this appraisal method did not accept significance between the pitching side and the un-pitching side. (p<0.01) The movement of the shoulder girdle on the basis of the humerus strongly influenced the condition of the shoulder of which we were aware of rather than the range of the shoulder motion. Although ROM was important as a medical treatment, it cannot be said that it was enough in respect of prevention of an obstacle. This evaluation method was important from a viewpoint of injury prevention to it. And this method was simple and we thought very easy to use.
著者
尾崎 尚代 千葉 慎一 嘉陽 拓 西中 直也 筒井 廣明
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.48101619, 2013 (Released:2013-06-20)

【はじめに】古くから諸家によって肩関節機能に関する研究がなされてきている。腱板機能訓練に関しては筒井・山口らの報告を契機に多くの訓練方法が用いられ、近年では肩甲骨の機能が注目され、肩関節求心位を得るための訓練方法が多々報告されている。しかし、肩関節の動的安定化機構である腱板を構成する各筋が肩関節求心位を保つための機能について報告しているものは渉猟した限りでは見つからない。今回、腱板断裂症例の腱板機能を調査し、肩関節求心位を保持する腱板機能について興味ある知見が得られたので報告する。【方法】2011年9月末までの2年間に当院整形外科を受診し、初診時に腱板断裂と診断された症例のうち、「Scapula-45撮影法」によるレントゲン像を撮影し、手術した症例35名(年齢60.8歳±12.7、男性19名・女性16名、罹患側 右22名・左13名)について、術前MRI所見および手術所見からA群(棘上筋単独断裂 23名)、B群(棘上筋+棘下筋断裂 5名)、C群(肩甲下筋を含む断裂 7名)の3群に分類した。 「Scapula-45撮影法」によるレントゲン像のうち肩甲骨面上45度挙上位無負荷像を用い、上腕骨外転角度、肩甲骨上方回旋角度、関節窩と上腕骨頭の適合性について、富士フィルム社製計測ソフトOP-A V2.0を用いて計測した。上腕骨外転角度および肩甲骨上方回旋角度は任意の垂線に対する上腕骨および関節窩の角度を計測し、関節窩と上腕骨頭の適合性は、関節窩上縁・下縁を結ぶ線を基準線として関節窩に対する上腕骨頭の位置関係を計測した値を腱板機能とした(正常範囲-1.11±2.1、大和ら1993)。統計学的処理は、Kruskal-Wallis検定、Mann-Whitney検定、χ²検定を用いて危険率5%にて行い、上腕骨外転角度、肩甲骨上方回旋角度、腱板機能について3群を比較検討し、さらに腱板機能については正常範囲を基に3群間で比較検討した。【説明と同意】当院整形外科受診時に医師が患者の同意を得て診療放射線技師によって撮影されたレントゲン像を用いた。なお、個人情報は各種法令に基づいた当院規定に準ずるものとした。【結果】測定平均値をA群、B群、C群の順で示す。上腕骨外転角度(度)は43.59±8.84、45.64±7.04、33.83±7.54、肩甲骨上方回旋角度(度)は10.17±13.46、0.96±5.02、24.87±22.92であり、上腕骨外転角度および肩甲骨上方回旋角度については3群間で有意差は認められなかった。腱板機能は-0.75±4.76、5.44±12.61、7.84±5.07であり、3群間で有意差は認められ(p=0.007)、なかでもC群はA群と比較して関節窩に対して骨頭の位置が上方に移動していた(p=0.0008)。腱板機能について正常範囲を基に各群間で比較した結果、A群では正常範囲に入るものが23名中10名(43.5%)であり、関節窩に対して骨頭が上方に移動しているもの、下方に移動しているものがそれぞれ26.1%、30.4%あったが、B群、C群では正常範囲に入るものが0%、14.3%であった。B群は骨頭の上方移動および下方移動を呈するものが半数ずつであったが、C群では7名中6名(85.7%)が骨頭の上方移動を呈しており、有意差が認められた(p=0.03)。【考察】腱板断裂の指標として用いられる肩峰骨頭間距離は下垂位前後像で計測し、その狭小化を認める症例は腱板断裂の疑いがあるとされているが、今回用いた機能的撮影法は肩甲骨面上45度拳上時における肩甲骨と上腕骨の位置関係を調査している。 当院では、肩関節疾患患者に対し理学療法実施時に疼痛誘発テストとして肩甲骨面上45度挙上位での徒手抵抗テストを行ない、理学療法プログラム立案の一助としているが、このテストと同一の撮影肢位であるレントゲン像を用い、腱板断裂症例の腱板機能を断裂腱によって分類して調査することによって肩関節の求心位に作用する筋が明らかになると考えた。その結果、棘上筋の単独断裂では約半数は正常範囲にあり、残りの半数および棘下筋を含む断裂では関節窩に対して上腕骨頭が上方あるいは下方へと移動するが、肩甲下筋を含む断裂では関節窩に対して上腕骨頭の上方移動が認められたことから、肩甲下筋の機能不全が肩関節求心位に大きく影響することが示唆された。また、上腕骨外転角度および肩甲骨上方回旋角度は各群間で差がなかったことから、腱板機能不全を呈する症例は上腕骨を空間で保持するために肩甲骨が様々な反応を示すことが推測でき、前回報告した結果を裏付けするものと考える。 臨床上、肩甲下筋を選択的に収縮させることによって肩関節可動域が改善する症例を経験するが、肩甲帯の土台である肩甲骨の機能はもちろんのこと、腱板機能不全に対し肩関節求心位を確保するために選択する理学療法プログラムは肩甲下筋を考慮する必要があると考える。【理学療法学研究としての意義】今回の結果から肩関節疾患症例に対しておこなわれる腱板機能に関する理学療法プログラム立案を再考する必要性が示唆された。
著者
尾崎 尚代 千葉 慎一 嘉陽 拓 西中 直也 筒井 廣明
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48101619, 2013

【はじめに】古くから諸家によって肩関節機能に関する研究がなされてきている。腱板機能訓練に関しては筒井・山口らの報告を契機に多くの訓練方法が用いられ、近年では肩甲骨の機能が注目され、肩関節求心位を得るための訓練方法が多々報告されている。しかし、肩関節の動的安定化機構である腱板を構成する各筋が肩関節求心位を保つための機能について報告しているものは渉猟した限りでは見つからない。今回、腱板断裂症例の腱板機能を調査し、肩関節求心位を保持する腱板機能について興味ある知見が得られたので報告する。【方法】2011年9月末までの2年間に当院整形外科を受診し、初診時に腱板断裂と診断された症例のうち、「Scapula-45撮影法」によるレントゲン像を撮影し、手術した症例35名(年齢60.8歳±12.7、男性19名・女性16名、罹患側 右22名・左13名)について、術前MRI所見および手術所見からA群(棘上筋単独断裂 23名)、B群(棘上筋+棘下筋断裂 5名)、C群(肩甲下筋を含む断裂 7名)の3群に分類した。 「Scapula-45撮影法」によるレントゲン像のうち肩甲骨面上45度挙上位無負荷像を用い、上腕骨外転角度、肩甲骨上方回旋角度、関節窩と上腕骨頭の適合性について、富士フィルム社製計測ソフトOP-A V2.0を用いて計測した。上腕骨外転角度および肩甲骨上方回旋角度は任意の垂線に対する上腕骨および関節窩の角度を計測し、関節窩と上腕骨頭の適合性は、関節窩上縁・下縁を結ぶ線を基準線として関節窩に対する上腕骨頭の位置関係を計測した値を腱板機能とした(正常範囲-1.11±2.1、大和ら1993)。統計学的処理は、Kruskal-Wallis検定、Mann-Whitney検定、χ²検定を用いて危険率5%にて行い、上腕骨外転角度、肩甲骨上方回旋角度、腱板機能について3群を比較検討し、さらに腱板機能については正常範囲を基に3群間で比較検討した。【説明と同意】当院整形外科受診時に医師が患者の同意を得て診療放射線技師によって撮影されたレントゲン像を用いた。なお、個人情報は各種法令に基づいた当院規定に準ずるものとした。【結果】測定平均値をA群、B群、C群の順で示す。上腕骨外転角度(度)は43.59±8.84、45.64±7.04、33.83±7.54、肩甲骨上方回旋角度(度)は10.17±13.46、0.96±5.02、24.87±22.92であり、上腕骨外転角度および肩甲骨上方回旋角度については3群間で有意差は認められなかった。腱板機能は-0.75±4.76、5.44±12.61、7.84±5.07であり、3群間で有意差は認められ(p=0.007)、なかでもC群はA群と比較して関節窩に対して骨頭の位置が上方に移動していた(p=0.0008)。腱板機能について正常範囲を基に各群間で比較した結果、A群では正常範囲に入るものが23名中10名(43.5%)であり、関節窩に対して骨頭が上方に移動しているもの、下方に移動しているものがそれぞれ26.1%、30.4%あったが、B群、C群では正常範囲に入るものが0%、14.3%であった。B群は骨頭の上方移動および下方移動を呈するものが半数ずつであったが、C群では7名中6名(85.7%)が骨頭の上方移動を呈しており、有意差が認められた(p=0.03)。【考察】腱板断裂の指標として用いられる肩峰骨頭間距離は下垂位前後像で計測し、その狭小化を認める症例は腱板断裂の疑いがあるとされているが、今回用いた機能的撮影法は肩甲骨面上45度拳上時における肩甲骨と上腕骨の位置関係を調査している。 当院では、肩関節疾患患者に対し理学療法実施時に疼痛誘発テストとして肩甲骨面上45度挙上位での徒手抵抗テストを行ない、理学療法プログラム立案の一助としているが、このテストと同一の撮影肢位であるレントゲン像を用い、腱板断裂症例の腱板機能を断裂腱によって分類して調査することによって肩関節の求心位に作用する筋が明らかになると考えた。その結果、棘上筋の単独断裂では約半数は正常範囲にあり、残りの半数および棘下筋を含む断裂では関節窩に対して上腕骨頭が上方あるいは下方へと移動するが、肩甲下筋を含む断裂では関節窩に対して上腕骨頭の上方移動が認められたことから、肩甲下筋の機能不全が肩関節求心位に大きく影響することが示唆された。また、上腕骨外転角度および肩甲骨上方回旋角度は各群間で差がなかったことから、腱板機能不全を呈する症例は上腕骨を空間で保持するために肩甲骨が様々な反応を示すことが推測でき、前回報告した結果を裏付けするものと考える。 臨床上、肩甲下筋を選択的に収縮させることによって肩関節可動域が改善する症例を経験するが、肩甲帯の土台である肩甲骨の機能はもちろんのこと、腱板機能不全に対し肩関節求心位を確保するために選択する理学療法プログラムは肩甲下筋を考慮する必要があると考える。【理学療法学研究としての意義】今回の結果から肩関節疾患症例に対しておこなわれる腱板機能に関する理学療法プログラム立案を再考する必要性が示唆された。
著者
西中 直也 近 良明 Banks Scott A 三原 研一 鈴木 一秀 大田 勝弘 牧内 大輔 松久 孝行 筒井 廣明 杉本 英治 蒲田 和芳
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.509-512, 2008 (Released:2008-11-21)
参考文献数
16

The glenoid bare spot commonly is observed in the adult shoulder. Carter et al. proposed that cartilage thickness was affected by normal homeostatic loads. The purpose of this study was to measure glenohumeral translation during shoulder abduction in order to explore development of the glenoid bare spot. 10 healthy shoulders (average 31.1 years old) were studied. 3D models of the scapula and humerus were created from CT scans. Motions were recorded with fluoroscopy during active abduction in neutral rotation for unloaded and a 3kg loaded trial. 3D motions were determined using model-based 3D-to-2D registration. Humeral translation was referenced in the superior/inferior direction to the assumed location of the bare spot (center of the circle described by the bony margins of the inferior glenoid). The bare spot location averaged 4.3mm inferior to the superior/inferior midpoint of the glenoid. Glenohumeral contact was 2.6 and 3.1mm superior to the bare spot for unloaded and loaded conditions with the arm at the side. The humeral head moved upward gradually with abduction to 4mm above the bare spot above 70° abduction (p>0.05, 0 vs 3kg). The glenoid surface stabilizes humeral head translation. Carter et al. suggested that cartilage grew thickest with high mechanical demands (compression and sliding) and thinner where demands were low. Humeral translation away from the bare spot with abduction suggests that lower loads were experienced when the humeral head was near the bare spot and larger loads were experienced with humeral translation away from the bare spot. These kinematic observations were consistent with Carter's framework for cartilage growth and provided a plausible explanation for the development of the glenoid bare spot.
著者
入谷 誠 山嵜 勉 大野 範夫 山口 光国 内田 俊彦 筒井 廣明 黒木 良克
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.35-40, 1991-01-10 (Released:2018-10-25)
被引用文献数
3

今回,我々は足位,すなわちFOOT ANGLEの変化が,骨盤の側方安定性に関与する中殿筋活動の動態と距骨下関節の内外反角度にどの様に影響をするかをX線学的及び筋電図学的に検索した。その結果,X線学的には,TOE-OUTで距骨下関節は内反し,TOE-INで距骨下関節は外反した。筋電図学的分析では,中殿筋の活動はTOE-OUTからTOE-INに向かって,明らかに増加した。さらに中殿筋の活動量が最も大きかったTOE-IN 30°でアーチサポートを挿入すると,中殿筋の活動量が明らかに低下したことから,中殿筋の活動量はFOOT ANGLEの変化のみならず,足部アーチの状態も大きく影響を及ぼしていることを示唆した。
著者
浜田 純一郎 山口 光國 筒井 廣明 前田 健 近 良明
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.725-729, 2012 (Released:2012-10-25)
参考文献数
6

Background: The understanding of the glenohumeral (GH) joint motion during baseball pitching should be necessary for diagnosis and treatment for throwing shoulder. The purposes of this study were firstly to investigate the motions of the scapula, pelvis, upper body, and upper limbs and secondly to speculate the motion of the GH joint and the scapula from the top position to ball release.Methods: We observed the pitching of 2 professional and 2 high-level amateurs with a digital camera and a video camera, recording each motion of the pelvis, upper body, scapula, and upper limbs. We classified pitching motion into 3 phases which were slide, upper body rotation, and arm throwing in order to simply analyze the motion in each phase.Results: Each scapula protracted and retracted respectively during pitching motion. The pelvis which was closed in the stride, ball release, and follow-through synchronized with scapular motion. The throwing arm moved in the scapular plane and made the elbow extend to the ball release. Internal rotation of the humeral head was a little from the top position to the ball release.Discussion: Both scapula and pelvis synchronized at each phase of pitching motion. The motion of the GH joint was speculated to be a small amount from the top position to ball release.
著者
筒井 廣明 山本 龍二 安楽 岩嗣 三原 研一 今里 有紀彦 保刈 成
出版者
Japan Shoulder Society
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.13-17, 1991
被引用文献数
3

The shoulder joint is the most mobile joint in the body combined with a small glenoid and a large humeral head. This joint has been thought to be an unstable joint because of its anatomical structure and the recurrence rate from initial dislocations. Our opinion of this joint is that it has most distinguished stabilizing mechanisms for keeping a wide range of motion.<BR>1. The first stabilizing mechanism<BR>This mechanism is the bony combination of the radius between the glenoid cavity and the humeral head. The anatomical study showed the radius of a cross section of the glenoid was 16.8 mm and of the humeral head 22 mm. The computation of the maximum permissible kinetic vector that enables the humeral head to be on the glenoid was 43&deg;.<BR>2. The second stabilizing mechanism<BR>The second mechanism is the function of the anterior capsule including the inferior glenohumeral ligament.<BR>The anterior capsule works involuntary in both its tension and direction as the centripetal force does against the shear force.<BR>3. The disadvantages of these two stabilizing mechanisms<BR>The disadvantages of these two stabilizing mechanisms are; - Inefficiency against the increased anterior kinetic vector during the positioning of the upper extremities vertically against the glenoid<BR>- The decrease of bony structural intensity compared with other joints such as the hip joint.<BR>4. The third stabilizing mechanism<BR>The third stabildzing mechanism is the function of the shoulder girdle.<BR>Its first function is the mobility of the scapula working as shock ab s orber against the share force that falls on the glenohumeral joint.<BR>The second is the function of the shoulder girdle muscles such as the pectoralis major and the deltoid.<BR>In conclusion, therefore, a normal shoulder joint should be the most distinguished joint with these stabilizing mechanisms physically and anatomically maintaining a wide range of motion.
著者
筒井 廣明 管 直樹 山口 光國 山本 龍二 三原 研一 保刈 成 上里 元 鈴木 一秀 大島 和 内川 友義
出版者
Japan Shoulder Society
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.310-316, 1995

Purpose<br>The purpose of this study is to recognize the effect of exercise for cuff muscles using EMG.<br>Materials and Methods<br>5 healthy young men, aged from 17 to 29 yrs., were examined. The "resisted external rotation"exercise for the infraspinatus muscle was estimated. The Cuff-Y exercise with a yellow Thera-Band and F. W. Jobe's strengthening exercise with a 1.5kg weight were compared. During the exercises, the infraspinatus, the supraspinatus, the deltoid, and the middle fiber of the trapezius were examined with EMG. The EMG was recorded continuously from the beginning for 5 minutes.<br>Results<br>The exercise withe the yellow Thera-Band could dominate the activity of the infraspinatus muscle compared to other muscles. As for the exercises with a 1.5kg weight, it was difficult to keep the activity of the infraspinatus advantageous and the 5 volunteers demonstrated five different patterns of muscle activity. Furthermore, the relative activity of the infraspinatus gradually decreased with time.<br>Conclusion<br>Exercises for cuff muscles should be carried out to keep the dominant activity of the targeted muscle compared to other muscles. The setting of the load and time limit both failed and the purpose of the exercise could not be attained.
著者
山口 光國 筒井 廣明 山本 龍二 三原 研一 保刈 成 鈴木 一秀 上里 元 大島 和 内川 友義 菅 直樹 牧内 大輔
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.325-328, 1996-11-30 (Released:2012-11-20)
参考文献数
4

PurposeWe investigated the muscle strength of the scapulothoracie joint which is apt to be affected by the position of other joints.
著者
筒井 廣明 山口 光國 山本 龍二 三原 研一 保刈 成 鈴木 一秀 上里 元 大島 和 内川 友義 菅 直樹 牧内 大輔
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.337-340, 1996-11-30 (Released:2012-11-20)
参考文献数
6
被引用文献数
1

[Purpose]Cuff exercises are usually performed to improve the shoulder function and to keep the condition of the shoulder of throwing athletes. Thus, there are a large number of athletes who could not acquire the expected effects of the exercises. In this study, we examined the estimation of the cuff function and the daily exercises of the athletes electromyographically.
著者
鈴木 一秀 南 和延 筒井 廣明 三原 研一 保刈 成 上里 元 内川 友義 菅 直樹 大田 勝弘 牧内 大輔
出版者
Japan Shoulder Society
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.373-376, 1999

[Purpose] The purpose of this study is to analyze the influence of the scapulothoracic joint on the rotator cuff function using integrated electromyography.<BR>[Materials and Methods] Ten shoulders of ten young males who were diagnosed as having dysfunction of scapulothoracic joint with &lceil;Scapula-45&rfloor; radiography and resisted abduction and external rotation test. The activities of the supraspinatus, infraspinatus, deltoid, and biceps were evaluated electromyographically with the loads at 45 degrees elevated position in the scapular plane. Subsequently the activity of these muscles was collected with a manual assist to the scapulothoracic function. The EMG activity was expressed as a percentage of the Max MMT (%MMT).<BR>[Results] The EMG activity increased with the load in all the cases. In 80% of the total cases, the relationship between the supraspinatus and deltoid did not change irrespective of the load (deltoid/supuraspinatus=1 /1.3) without manual assistance. The %MMT of the supraspinatus and deltoid of these cases showed a significant difference between the activity with and that without manual assistance. The tendency was remarkable at 3kg load. In 20% of the total cases, a dysfunction of rotator cuff was noted.<BR>[Conclusion] The results suggest the function of scapulothoracic joint has an effect on the rotator cuff function.
著者
尾崎 尚代 千葉 慎一 嘉陽 拓 大野 範夫 鈴木 一秀 牧内 大輔 筒井 廣明
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.C0889, 2007

【はじめに】腱板完全断裂症例に対する理学療法の目的は、疼痛の除去および残存腱板や上腕二頭筋長頭腱での代償作用を引き出し、肩関節の運動能力を改善することにある。しかし、広範囲断裂や長頭腱断裂を伴う症例の中には、これらの代償作用を得られずとも上肢挙上が可能となり、ADL上の支障がなくなる症例を経験する。そこで、理学療法を実施した腱板完全断裂症例について追跡調査し、若干の知見が得られたので報告する。<BR>【方法】対象は、当院にてMRIまたはMRAで腱板完全断裂と診断を受けて理学療法を行い6ヶ月以上の経過観察が可能であった20例20肩(男性11肩、女性9肩)であり、外傷歴は有11例・無9例、断裂部の大きさは3.5mm未満6例・3.5mm以上14例、単独断裂11例・複数腱断裂9例である。これらの症例に対しJOA scoreの推移とレ線的検討を行った。尚、治療開始時年齢は平均67.35歳、発症から当院初診までの期間は平均17.07ヶ月、経過観察期間は平均15.90ヶ月であり、手術療法に移行した症例は除外している。<BR> JOA scoreの推移は、疼痛、機能、可動域について、初診時、1ヵ月後・3ヵ月後・6ヵ月後・9ヵ月後・1年後・最終診察時の推移を調査した。また、X線的検討はScapula45撮影法での45゜無負荷保持を用い、最終診察時の自動屈曲可動域が120度以上尚且つ30度以上の改善を良好群、それ以外を不良群に分類して、腱板機能および肩甲骨機能について検討した。<BR>【結果】X線所見・関節不安定性を除いたJOA score(80点満点)の推移は、初診時41.93点±14.68から最終診察時67.83点±8.61と有意に改善した(p<0.001)が、初診時と比較して疼痛は理学療法開始1ヶ月後(p<0.01)、機能は3ヵ月後(p<0.02)、可動域は6ヵ月後(p<0.02)以降で有意に改善したものの、外傷歴や断裂腱の数、大きさとの関係には有意差は認められなかった。<BR>またX線的検討の結果、良好群13例(屈曲148.85度±19.49)・不良群7例(屈曲104.29度±22.81)共に肩甲骨関節窩に対して骨頭の上昇が著明であるが、胸郭上の肩甲骨の上方回旋角度は正常値(12.30±4.1)に比して良好群では小さく(2.02±7.01)なり、不良群では大きく(25.53±17.82)なっていた(p<0.001)。<BR>【考察】今回の結果、腱板断裂症例に対しては、疼痛を理学療法開始後1ヶ月以内に、機能を3ヶ月以内に理学療法の効果を出す必要があることがわかった。また、腱板断裂症例の可動域改善には残存腱等での代償動作のみならず、上腕骨に対して肩甲骨関節窩をあわせるような肩甲骨の下方回旋運動が可能である必要性が示唆され、肩甲骨の可動性と共に、いわゆるouter musclesの機能により肩甲上腕関節の適合性を得ることで上肢挙上が可能になり、ADL拡大につながると考える。
著者
古屋 貫治 西中 直也 鈴木 昌 松久 孝行 小原 賢司 磯崎 雄一 大澤 一誉 田鹿 佑太朗 木村 亮介 筒井 廣明
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.593-597, 2019

<b>【目的】</b>プロ野球投手のメディカルチェック(MC)でみられる,MR画像のposterosuperior impingement(PSI)と身体機能 との関係は不明である.今回,PSIと当院で重視しているゼロポジション保持機能との関連性について検討した.<BR><b>【方法】</b>当院のMCで,2年連続でゼロポジション保持機能と投球側MR画像を調査しえたプロ野球投手8名を対象とした.ゼロポジション近似肢位での外旋筋力(Zero外旋),肘伸展筋力(Zeroリリース)を両側測定し,MR画像の経年変化でPSI不変群4例と増悪群4例を比較した.<BR><b>【結果】</b>両群ともZero外旋,Zeroリリース,Zero外旋/リリース比は左右差がなく,投球側のZero外旋/リリース比のみPSI増悪群で有意に高かった(p=0.0209).<BR><b>【結論】</b>PSIとZero外旋、Zeroリリースの筋力は相関がみられなかったが,投球側のZero外旋/リリース比には相関がみられた.画像でPSI所見がみられた場合は新たな障害発生のリスクとなる可能性があるため,注意深く経過を診ていく必要がある.