著者
本間 莉那 大瀧 亮二 笹原 寛 斎藤 佑規 竹村 直
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.683-690, 2021-10-15 (Released:2021-10-15)
参考文献数
17

Pusher現象を呈する脳卒中患者のうち約80%は,発症約3ヵ月でPusher現象が消失すると報告されている.Pusher現象が長引く場合,リハビリテーションの効果は低く,ADLの回復に影響を与え,結果入院期間が長期化するとされている.今回,脳卒中発症後3ヵ月以降もPusher現象が残存し,ADLに全介助を要した症例に対して,Pusher現象の発生機序とされている主観的身体垂直(SPV)の再学習を目的に長期的な作業療法を実施した.結果,Pusher現象が軽減し,ADLの自立度が向上した.Pusher現象の発生機序や病態を理解したうえでの,段階的で長期的な作業療法は有効である可能性が示唆された.
著者
渡邊 慎吾 大瀧 亮二 小野 修 齋藤 佑規 竹村 直
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.43-48, 2022 (Released:2022-02-20)
参考文献数
18

【目的】亜急性期脳卒中者に対するBody Weight Supported Overground Training(以下,BWSOT)の効果を検討した。【方法】脳梗塞により右片麻痺を呈した73 歳男性を対象とした。ABA シングルケースデザインを用い,A 期は通常の理学療法を実施し,B 期はA 期の介入に加えてBWSOT を実施した。評価項目は歩行速度,6 分間歩行距離,麻痺側Trailing Limb Angle(以下,TLA)および麻痺側足関節底屈モーメントとした。【結果】歩行速度,6 分間歩行距離はA 期と比べ,B 期でより大きな改善を認めた。さらに歩行速度,6 分間歩行距離の改善に伴い,TLA,足関節底屈モーメントの改善がみられた。【結論】BWSOT は亜急性期脳卒中者の歩行能力,運動学・動力学的指標を改善し得る理学療法戦略であると考えられた。