著者
小野 修三
出版者
慶應義塾大学
雑誌
法學研究 (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.67, no.12, pp.203-224, 1994

内山秀夫教授退職記念号一 はじめに二 『刑法改正案ノニ眼目 : 死刑及刑ノ執行猶予』(明治三五年)三 『未成年者二対スル刑事制度ノ改良二就テ』(明治三六年)四 おわりに
著者
窪田 和雄 松沢 大樹 藤原 竹彦 伊藤 健吾 渡辺 弘美 小野 修一 伊藤 正敏 山浦 玄嗣 滝田 公雄 佐々木 雄一郎
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.22, no.6, pp.503-509, 1985-11-30 (Released:2009-11-24)
参考文献数
21

脳は老化に伴ない, 神経細胞を減じ, 体積が減少し, 脳室, 脳溝が拡大してゆく. 我々はこの過程をCTスキャンで定量的に解析し, 脳は加齢に伴ない著明に萎縮するだけでなく, 個人差が非常に大きくなることを明らかにしてきた. 今回脳萎縮の個人差を生ずる要因を明らかにするために, 喫煙が脳萎縮に及ぼす慢性効果について調べた.神経学的に, またCTスキャン上異常のない40歳から69歳までの喫煙者159人, 非喫煙者194人について, 脳萎縮を測定した. コンピューターを使用し, CT像を構成している画素を数え, 頭蓄内の脳実質の割合を求め, 更に若い健常者の脳に比べて何%萎縮したかを示す脳体積指数 (Brain Volume Index) を求めた. BVIは加齢に伴ない低下するだけでなく, 喫煙者において, 50歳~54歳, 55歳~59歳では危険率0.1%以下で, 65歳~69歳では危険率5%で非喫煙者よりも有意に低く, これらの年代では喫煙者の脳萎縮が非喫煙者よりも進んでいることを示した. また非喫煙者では男女差は見られなかった. 喫煙量に対する依存関係を50歳代男性で調べたところ, 喫煙者各群は非喫煙者よりも有意にBVIは低下し, 喫煙指数が多くなるにつれBVIは低下する傾向があったが, 喫煙者各群に有意差はなかった. また喫煙者では血清トリグリセライド (p<0.002) 及び収縮期血圧 (p<0.05) が非喫煙者よりも有意に高かった.脳血流が喫煙者では減少しているという我々の先の報告と合わせ, 喫煙は慢性的に動脈硬化を促進し, 動脈硬化や血圧の上昇その他の要因とともに脳血流を低下させ, 加齢に伴なう神経細胞の喪失を助長し, 脳萎縮を促進させると考えた.
著者
小野 修三
出版者
慶應義塾大学日吉紀要刊行委員会
雑誌
慶応義塾大学日吉紀要 社会科学 (ISSN:13425390)
巻号頁・発行日
no.23, pp.68-52, 2012

はじめに第一章 埼玉県庁への出仕第二章 司法省への出仕第三章 内務省警保局長としておわりに
著者
小野 修三
出版者
慶應義塾大学日吉紀要刊行委員会
雑誌
慶応義塾大学日吉紀要 社会科学 (ISSN:13425390)
巻号頁・発行日
no.11, pp.122-33, 2000

解題・凡例救貧要論汎論目次第一章濟貧の略史救貧と文明救濟と政治救濟と宗教宗教的救濟の基礎観念宗教的救濟の衰退救濟法の変遷濟貧院の創設〔都市と救濟]〔濟貧制の設定〕中世の濟貧状態救濟主管の異動都會と救濟濟貧制度の設定現代の濟貧制度第二章 貧民の意義、實體及び範囲貧民とは何ぞ貧民の種類貧民古今の比較観偶發的貧民貧冨の懸隔か將た貧冨の変動か貧困の原因如何なる標準に由て貧困の範囲を知るを得べきか勞銀の増減居住関係結婚統計消費統計死亡統計細民の家計状態小河滋次郎の救貧要論社會的救濟事業の組織第三章 公的救貧救貧制度の大要救貧制度の缺点公的救貧の施行法エルベルフェルド式婦人と救貧ストラースブルグ式公的救貧の經費第四章 宗教的及有志的救貧権力と慈愛新教と救貧旧教と救貧救世軍と救貧猶太教と救貧赤十字と愛國婦人救貧事業の統一調和倫敦中央慈善協會伯林中央慈善協會第五章 救貧事業の十則救濟の普及査賑扶養義務の勵行根本的救濟質實當事者の精進救濟の標的救濟の本質廉耻心の保全家庭式各論第六章 社會的救濟事業に對する立法發達の影響勞働者の保護勞働保険法疾病保険保険法の效果雇傭契約抵當権私生児の扶養義務人事相談所第一欸 貧困の主因に對する豫防第七章 失業就業の権利職業紹介失業保険勞働組合授産塲授産殖民無宿勞働者保護法小河滋次郎の救貧要論免囚保護移住第八章 國民病結核病結核豫防の二要件病院療養私的救濟事業としての結核豫防精神病花柳病第九章 酒毒酒料の消費高禁酒法酒毒療養院禁酒運動青十字ゴーデンブルグ式第十章 家政難収入の問題に非す支出の問題なり主婦と家政家政練習勞働婦女の寄宿家政講習科目第二欸 貧困の直接救濟第十一章 収容的救濟救濟法の種類病院貧民授産塲 病院の構造バラック、バビロン式回復院林間保養院看護者分娩院唖院盲院盲唖生の強制教育療疾院精神病院養老院第十二章 自由的救濟自由救濟の長所生計の保護金保と物保の利害監督居住難の真相家賃の補助無宿者の措置自宅救療救療醫と看護者配食所慰問籃第三欸第十三章 幼児及少年の保護乳児乳児の死亡保護相談所私生児棄児院里預孤児小河滋次郎の救貧要論貧児病弱児 揺籃院幼児保護所(抹消)幼学舎保養所〔院〕生徒の健康状態保養の善後低能児勞働…姐感化事業救濟と児童保護補習教育職業の選擇國民教育大学生の活動第四欸第十四章 貧民の取締救濟の聲刑法の制裁警察と裁判窮民と遊民調査権と申告義務民法の扶養規定救濟と文明本能的救濟
著者
小堀 研一 小野 修一郎 西岡 郁夫
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.33, pp.2151-2152, 1986-10-01

筆者らは,歪みの少ない四角形要素を発生するアルゴリズムを開発したので,その手法について報告する。これは,直線,円弧,楕円,自由曲線(以下エンティティという)などで構成された平面上にある閉じた領域を分割するもので,四辺で囲まれた領域を要素分割する際,互いに向かい合った辺上の分割数に制約をもたない,自動メッシュ生成を可能にするものである。
著者
大塚 祐輔 横田 賀英子 小野 修一 和智 妙子 渡邉 和美
出版者
日本犯罪心理学会
雑誌
犯罪心理学研究 (ISSN:00177547)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.1-15, 2016-01-31 (Released:2017-03-23)
参考文献数
21
被引用文献数
2

本研究では,文書を用いた恐喝事件に関する基礎的な知見を提供することを目的として,事件の類型化を行い,各類型と犯人特徴の関係について検討した。分析データとして用いたのは,2004年から2012年の間に全国のいずれかにおいて発生して解決した文書を用いた恐喝事件に関する情報である(N=414)。多重対応分析を行った結果,「匿名性の程度」と「罪悪感利用の程度」の2次元が見出された。次に,多重対応分析によって得られたオブジェクトスコアを基に階層的クラスター分析を行った結果,「匿名性低―罪悪感利用低群」,「匿名性低―罪悪感利用高群」,「匿名性高群」の3類型が見出された。類型と犯人特徴の関連について分析したところ,「匿名性低―罪悪感利用低群」は20代以下の犯人が多く,友人・知人を犯行対象としていること,「匿名性低―罪悪感利用高群」は怨恨・憤まんを動機として,配偶者・恋人や情交関係にあった者を犯行対象にしていること,「匿名性高群」は50代または60代以上の犯人が多く,生活費・借金苦を動機として会社等に対する恐喝を行っていることが示された。
著者
小野 修三
出版者
慶應義塾大学日吉紀要刊行委員会
雑誌
慶応義塾大学日吉紀要 社会科学 (ISSN:13425390)
巻号頁・発行日
no.16, pp.98-30, 2005

一、本稿はその題が厚紙の表紙にはペンにて、そして袋綴じにされた原稿用紙の第一ページ目には筆にて「犯罪豫防論綱」とそれぞれ記された手書き原稿を起こしたものである。表紙と本文は和綴じにされている。筆者名のサインはどこにもないが、使用されている原稿用紙は小河氏原稿用紙の文字が活字印刷された特製原稿用紙であり、また小河氏蔵書の印鑑が二箇所押され、綴じられた原稿用紙の中途に「犯罪豫防論講義目次」なる冊子が挿入されていて、そこには「法學博士 小河滋次郎講」と記されている。さらに表紙には1662(自4)という手書きの文字(横書き)が記されているが、これは日本生命済生会の小河文庫の一冊としての「犯罪豫防論綱」に付せられていた整理番号と考えられる。また原稿の筆跡も小河滋次郎のものと考えられる。以上の点から本稿ではこの「犯罪豫防論綱」を小河滋次郎の自筆原稿として扱う次第である。 二、以前に私は同様の小河滋次郎の自筆原稿「救貧要論」を本紀要第一一号(二〇〇〇年)にて翻刻しているが、それは小河博士の令孫小河彌榮氏が長く保管され、今日では上田市立図書館に同氏が寄贈されているものである。これに対して、今回の原稿は五山堂書店主加藤俊一氏のお世話にて古書市場より入手に至ったものであり、ここに小河滋次郎の未発表の業績として以前と同様紹介するものである。三、原本は半葉一〇行、一行二五字の赤色罫線の白色五百字詰原稿用紙に、墨書されている。同原稿用紙の綴りはまず表紙の一枚、続いて無記入の二枚、そして本文部分の漢数字で一から五十までのページ番号の振られている五〇枚と、それ以降のページ数の振られていない四三枚の計九六枚から成っている。なお、本文部分には計八枚の別紙が挿入されている。そのうちの六枚は同一規格のメモ用紙が使われ、それぞれの記載内容が本文何ページ目への注であるかは明記され、かつその指示ページの箇所に挿入されていた。他は前述の「犯罪豫防論講義目次」と活字印刷された四ページの小冊子と青色罫線の原稿用紙の断片に記入のある一枚である。この青色罫線の原稿用紙の断片には何ページ目への注記かは記されていないが、挿入箇所への注記であることはその記載内容から確認出来た。「犯罪豫防論講義目次」以外はいずれも当該別紙の挿入されたページへの注として、本稿では本稿末尾の編者注の箇所に記載した。なお、本稿では原文のページ数を、記載のない部分(五一ページ以降)も含めて上部欄外に①、②と表示した。原文の最終ページは九三ページになる。 四、この原稿の執筆時期については明記がない。ただ、本文の記載事項中に「〔(後筆) 三十二年前〕一八七五年ノ徴兵検査ニ際シ」(原文一八ページ)という箇所があり、ここから計算すると執筆当時は一九〇七年(明治四〇年)になる。(同ページ上方欄外に小河自身による計算の跡が残っている。)また小河の博士論文「未成年者ニ對スル刑事制度ノ改良ニ就テ」への言及が原文三三ページに見える。同論文によって法学博士号を授与されたのが明治三九年なので、また「犯罪豫防論講義目次」にも「法學博士 小河滋次郎講」と記されているので、右の計算の通り小河が法学博士になった翌年の明治四〇年の執筆と考えて間違いはないように思われる。当時小河は司法省監獄事務官であった。その小河が何のためにこの講義を行なったのかは未詳である。 五、「犯罪豫防論講義目次」は同冊子が挿入されていたページと特別の関係があるわけではないと判断し、ここにまず記載する。そしてその次に原本には目次が付属していないので、その代わりに本文中の各見出し部分を抽出し、比較対照を試みる。ただし、本文中の見出し部分では特に書き直しが多く見られ、かつ幾分かの混乱が見て取れるが、ほぼその書き直された最後の形と思われる文字を、第何章第何節という記載が未記入の部分も含めて、原文のまま記すことにする。
著者
小野 修
出版者
広島大学平和科学研究センター
雑誌
IPSHU研究報告シリ-ズ (ISSN:13425935)
巻号頁・発行日
no.42, pp.168-188, 2009-03

松尾雅嗣教授退職記念論文集 平和学を拓く
著者
渡邊 慎吾 大瀧 亮二 小野 修 齋藤 佑規 竹村 直
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.43-48, 2022 (Released:2022-02-20)
参考文献数
18

【目的】亜急性期脳卒中者に対するBody Weight Supported Overground Training(以下,BWSOT)の効果を検討した。【方法】脳梗塞により右片麻痺を呈した73 歳男性を対象とした。ABA シングルケースデザインを用い,A 期は通常の理学療法を実施し,B 期はA 期の介入に加えてBWSOT を実施した。評価項目は歩行速度,6 分間歩行距離,麻痺側Trailing Limb Angle(以下,TLA)および麻痺側足関節底屈モーメントとした。【結果】歩行速度,6 分間歩行距離はA 期と比べ,B 期でより大きな改善を認めた。さらに歩行速度,6 分間歩行距離の改善に伴い,TLA,足関節底屈モーメントの改善がみられた。【結論】BWSOT は亜急性期脳卒中者の歩行能力,運動学・動力学的指標を改善し得る理学療法戦略であると考えられた。
著者
山口 悟郎 柳田 博明 小野 修一郎 副島 繁雄 和田 重孝
出版者
The Chemical Society of Japan
雑誌
工業化学雑誌 (ISSN:00232734)
巻号頁・発行日
vol.67, no.10, pp.1499-1501, 1964

コランダム単結晶の水熱育成法は未だ確立されているとはいい難い。本報ではこの方法におけるいくつかの問題点,オートクレーブ内の温度差の問題,育成のための最適温度圧力条件,種子結晶,原料など反応物質の問題,時間と成長率との関連の問題についての実験結果をもとに,本法の特質を考察した。この結果,オートクレーブ内の温度差は外壁測温の場合よりかなり小さく,とくに銀カプセルを用いた場合ほとんど無視できるものとなる。コランダムの溶解速度に対する著者らの数値を用いて,この温度差の実効値について半定量的に議論した。つぎに,最適温度圧力については高温高液充填度ほどよいことがわかった。高温は結晶成長速度を速め,液の高充填度は,温度差の実効値を大にするものと考えられる。種子結晶については,成長に少なくとも2段階あり,種子のカット方向が重要であろうことが示唆される。原料については,コランダム,あるいは水酸化アルミニウムの状態の時間変化の影響は認められなかった。成長機構は成長段階が少なくとも二つあることに特徴がある。現在まで著者らの実験方法で数cmのコランダム単結晶を得ることができるが,鉄イオンの混入による着色を除去するのは困難である。
著者
渡邊 慎吾 須賀 康平 小野 修 江川 廉 茂木 崇宏 櫻井 佳宏 小関 忠樹
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会 東北ブロック協議会
雑誌
東北理学療法学 (ISSN:09152180)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.66-73, 2018-09-01 (Released:2018-09-14)
参考文献数
27

脳卒中後の痙縮は,運動機能の回復を阻害する可能性を有することから,早期に痙縮発症の要因を同定することが重要であると考えられる。そこで,本レビューは脳卒中後早期の痙縮発症の予測因子を調査することを目的とし,論文レビューを実施した。データベースはPubMedを用いた。論文検索は,“spasticity”,“post stroke spasticity”の2つの用語に“stroke”,“cerebrovascular accident”,“CVA”,“predictors”,“risk factors”を組み合わせて実施した。すべての検索は2017年5月22日までに終了した。最終的に15編の論文が採用された。痙縮発症の予測因子は,運動機能に関する報告が最も多かった。その他に,感覚機能,疼痛,年齢等の患者属性,臨床経過および脳の損傷部位が挙げられた。痙縮発症の要因を早期に同定し,リハビリテーションおよび薬物治療を実施することは,さらなる運動機能の回復や介護負担の軽減および治療コスト削減をもたらす可能性がある。
著者
小野 修三
出版者
慶應義塾大学日吉紀要刊行委員会
雑誌
慶應義塾大学日吉紀要. 社会科学 (ISSN:13425390)
巻号頁・発行日
no.24, pp.51(38)-88(1), 2013

小野修三教授退職記念号はじめに第一章 貴族院議員にして司法次官第二章 司法次官から司法大臣へ第三章 枢密顧問官となり貴族院議員を辞すおわりに
著者
小野 修三
出版者
慶應義塾大学日吉紀要刊行委員会
雑誌
慶応義塾大学日吉紀要 社会科学 (ISSN:13425390)
巻号頁・発行日
no.27, pp.62-34, 2016

はじめに第一章 大正一三年一月七日以前の清浦奎吾第二章 大正一三年一月七日以降の清浦奎吾おわりに
著者
門奈 哲也 小野 修一郎
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会研究発表会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.115, 2006

本研究は、LCA手法を使って、もっぱら飲食店などの業務用として使用される樽容器及び販売装置に関して環境影響を評価すると共に、利用段階におけるライフサイクルシステムを明確にすることで、今後の容器改善や使用システムの改善につなげる情報の提供を目的とした。
著者
小野 修三
出版者
矯正協会
雑誌
刑政 (ISSN:02874628)
巻号頁・発行日
vol.123, no.3, pp.74-84, 2012-03
著者
大塚 祐輔 横田 賀英子 小野 修一 和智 妙子 渡邉 和美
出版者
日本犯罪心理学会
雑誌
犯罪心理学研究 (ISSN:00177547)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.1-15, 2016

<p>本研究では,文書を用いた恐喝事件に関する基礎的な知見を提供することを目的として,事件の類型化を行い,各類型と犯人特徴の関係について検討した。分析データとして用いたのは,2004年から2012年の間に全国のいずれかにおいて発生して解決した文書を用いた恐喝事件に関する情報である(<i>N</i>=414)。多重対応分析を行った結果,「匿名性の程度」と「罪悪感利用の程度」の2次元が見出された。次に,多重対応分析によって得られたオブジェクトスコアを基に階層的クラスター分析を行った結果,「匿名性低―罪悪感利用低群」,「匿名性低―罪悪感利用高群」,「匿名性高群」の3類型が見出された。類型と犯人特徴の関連について分析したところ,「匿名性低―罪悪感利用低群」は20代以下の犯人が多く,友人・知人を犯行対象としていること,「匿名性低―罪悪感利用高群」は怨恨・憤まんを動機として,配偶者・恋人や情交関係にあった者を犯行対象にしていること,「匿名性高群」は50代または60代以上の犯人が多く,生活費・借金苦を動機として会社等に対する恐喝を行っていることが示された。</p>