著者
石川 英子 片倉 剛 大石 幹雄 安彦 茂
出版者
東北大学
雑誌
東北大学医療技術短期大学部紀要 (ISSN:09174435)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.23-30, 1993-01-11

ScreenX-ray film SystemRadiographic SensitomentryBootstrape MethodReciprocity failureIntermittency effect
著者
小原 春雄 大石 幹雄 洞口 正之 丸岡 伸 本間 経康
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

通常使用している診断用X線装置のX線管は、熱電子放出を利用した熱陰極X線管であるのに対し、試作したX線管は電子の電界放出を利用した冷陰極X線管(フラッシュX線管)である。高エネルギー放電によるフラッシュX線装置は、直流高電圧発生装置、高容量コンデンサ、フラッシュX線管、エアーギャップスイッチ、トリガ発生装置、高真空排気装置で構成され、フラッシュX線管は陽極、陰極、トリガ電極で構成される。このフラッシュX線管のもとで発生するフラッシュX線装置の諸特性は、電極(陽極、陰極)の材質、陽極-陰極間距離、陰極-トリガ電極間距離、真空度の四つの因子により異なる。電極の材質の検討では、セリウム(Ce:原子番号58)、イッテルビウム(Yb:70)、タングステン(W:74)で検討したが、充電電圧90kV、真空度(6.65×10^<-3>Pa)の条件のもとで、Wが他と比較し1.3倍のX線強度が得られた。X線出力の測定は応答の速い液体シンチレータ(応答時間:10^<-9>sec)で検出し、デジタル・オシロスコープで測定し、波形解析を行った。充電電圧90kVの放電時のX線曝射時間はパルス幅10%で1μsec.以下となり、管電流は4×10^4A(瞬間大電流)であった。フラッシュX線管の焦点の大きさは、ピンホールカメラを用い焦点測定を行った。電極間距離を小さくすることで小焦点の傾向にあったが、電極間距離0,9cmで最小の焦点となり、2.0×2.3mmの大きさを得た。模擬被写体(メトロノーム、タングステンワイヤの振り子、コップに落下する造影剤、プラスチック弾の物体への衝突)の撮影では、完全静止画像の確保を可能とし、高鮮鋭度の画像が得られた。模擬被写体を通して得られた結果から、試作した本装置を用いることで、新生児・小児撮影および高齢化に伴う老人、脳卒中・脊髄損傷者を含む機能障害・能力障害等の動作停止不可能な被験者の撮影では完全静止画像の確保が可能となることを確証した。