著者
阿部 誠 新沼 大樹 吉澤 誠 杉田 典大 本間 経康 山家 智之 仁田 新一
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.11-17, 2014-02-10 (Released:2014-05-22)
参考文献数
22

Because of simplicity, subjective evaluation methods with questionnaires have been used conventionally to assess biological effects of viewing visual images. However, these methods have low objectivity and low reproducibility, and it is difficult to evaluate the effects as a time series. On the other hand, physiological indices based on such as electrocardiography, photoplethysmography, and electroencephalography have commonly been used to evaluate the effects objectively and continuously. However, physiological indices may include psychological effects as well as physiological effects, which have been considered little in the conventional studies. In this study, therefore, in order to remove the psychological effects from the physiological indices as much as possible and to extract the physiological effects such as eye strain or visually induced motion sickness, we performed the experiment in which the same video was shown multiple times to subjects with an expectation of attenuation of the psychological effects by adapting to the experiment. From the experimental result, a physiological index related to correlativity of the baroreflex system was increased significantly with the repeat count of the experiment. The comparison between the physiological index and the questionnaire on psychological state has suggested that this fact was caused by a decrease in not only stress or anxiety to the experiment but also a decrease in concentration or a reduction of interests in the video image.
著者
吉澤 誠 杉田 典大 湯田 恵美 田中 明 本間 経康 山家 智之
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.542-543, 2020

<p>近年,健康管理のためにウェアラブル・センサが普及しつつある.例えば,アップル社のApple Watchの最新バージョンでは,光電脈波計ばかりではなく心電計の機能まで具備している.確かに,ウェアラブル・センサは身体に直接装着するため,常時連続的な生体情報取得が可能である.しかし当然であるが,ウェアラブル・センサは,それを購入して「装着(ウェア)」しなければセンシングできない. 一方,パーソナルコンピュータやスマートフォンに内蔵されているビデオカメラの映像信号から脈波(映像脈波)が得られる.ウェアラブル・センサに比べて映像脈波が決定的に優れているのは,何も身に付けず(ウェア"レス"に),遠隔・非接触的なセンシングができる点である. 本稿では,まず,映像脈波の計測方法とその性質について述べた後,映像脈波の幅広い応用可能性について解説する.すなわち,家庭における風呂・トイレなどでの血圧サージの検出,洗面所の鏡やスマートスピーカーでの応用可能性,あるいは自動車内での運転者のモニタリングについて触れ,最も応用可能性の高いものとして,スマートフォンを使ったクラウドサービスの概念を紹介する. 次に,映像脈波の実用上の課題と限界について述べる.すなわち,映像脈波の最大の弱点が,体動と照度変化に極端に弱いことであり,それぞれに関する対策を紹介するとともに,今後を展望する</p>
著者
本間 経康 高井 良尋 吉澤 誠 成田 雄一郎
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

放射線治療において,肺腫瘍などの位置・形状変動(動態)に応じた連続追尾照射により治療効果向上と副作用低減を汎用機を用いて短時間で実現するための必須要素技術である,腫瘍の3次元動態の画像計測法とその変動予測法の開発を行い,臨床上有用な性能を達成した。とくに,呼吸統制による呼吸変動予測性能を制御工学的に解析し,より患者負担が少なくかつ効果的な統制法に関する知見を得た。また,リアルタイム適応追尾照射法が実現された場合の効果について,治療計画システムを用いた線量解析を行った。その結果,従来の移動全領域照射法,同期(待伏せ)照射法などと比較し,提案追尾照射制御の有効性を明らかにした。
著者
吉澤 誠 杉田 典大 阿部 誠 本間 経康 大内 仁 布川 憲司 山家 智之
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.Supplement, pp.SY-15-SY-16, 2014 (Released:2014-10-04)

Super aging society such as Japan would need tele-healthcare systems for home medical care to suppress medical cost inflation. In this situation, we have developed a tele-healthcare system for end-of life decision at home using a wireless electrocardiograph combined with a smartphone and a sphygmogram signal extracted from an ordinary video camera. The experimental results have indicated that long term monitoring through the smartphone and a server will provide rich information on the patient's terminal status for doctors in remote locations. However, it is necessary to collect many clinical data to predict the timing of end-of-life more precisely.
著者
小原 春雄 大石 幹雄 洞口 正之 丸岡 伸 本間 経康
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

通常使用している診断用X線装置のX線管は、熱電子放出を利用した熱陰極X線管であるのに対し、試作したX線管は電子の電界放出を利用した冷陰極X線管(フラッシュX線管)である。高エネルギー放電によるフラッシュX線装置は、直流高電圧発生装置、高容量コンデンサ、フラッシュX線管、エアーギャップスイッチ、トリガ発生装置、高真空排気装置で構成され、フラッシュX線管は陽極、陰極、トリガ電極で構成される。このフラッシュX線管のもとで発生するフラッシュX線装置の諸特性は、電極(陽極、陰極)の材質、陽極-陰極間距離、陰極-トリガ電極間距離、真空度の四つの因子により異なる。電極の材質の検討では、セリウム(Ce:原子番号58)、イッテルビウム(Yb:70)、タングステン(W:74)で検討したが、充電電圧90kV、真空度(6.65×10^<-3>Pa)の条件のもとで、Wが他と比較し1.3倍のX線強度が得られた。X線出力の測定は応答の速い液体シンチレータ(応答時間:10^<-9>sec)で検出し、デジタル・オシロスコープで測定し、波形解析を行った。充電電圧90kVの放電時のX線曝射時間はパルス幅10%で1μsec.以下となり、管電流は4×10^4A(瞬間大電流)であった。フラッシュX線管の焦点の大きさは、ピンホールカメラを用い焦点測定を行った。電極間距離を小さくすることで小焦点の傾向にあったが、電極間距離0,9cmで最小の焦点となり、2.0×2.3mmの大きさを得た。模擬被写体(メトロノーム、タングステンワイヤの振り子、コップに落下する造影剤、プラスチック弾の物体への衝突)の撮影では、完全静止画像の確保を可能とし、高鮮鋭度の画像が得られた。模擬被写体を通して得られた結果から、試作した本装置を用いることで、新生児・小児撮影および高齢化に伴う老人、脳卒中・脊髄損傷者を含む機能障害・能力障害等の動作停止不可能な被験者の撮影では完全静止画像の確保が可能となることを確証した。