著者
崔 星 大西 和彦 藤森 亮 平川 博一 山田 滋 古澤 佳也 岡安 隆一
出版者
Journal of Radiation Research 編集委員会
雑誌
日本放射線影響学会大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.177, 2010

食生活の欧米化に伴い、日本を含むアジア諸国では大腸癌が急増している。本研究は、大腸癌細胞株HCT116、 SW480を用い、放射線抵抗性や薬剤耐性と強く関与するとされる癌幹細胞を分離・同定し、これら癌幹細胞に対して、炭素線或いはX 線照射前後のコロニー形成能、spheroid形成能、DNA損傷の違いを調べ、またSCIDマウスに移植し、腫瘍形成能、移植腫瘍に対する増殖抑制や治癒率の違いについて比較検討した。HCT116、 SW480細胞においてCD133+、CD44+/ESA+細胞はCD133-、CD44-/ESA-細胞に比べ有意にコロニー形成数が多くやDNA損傷マーカーgammaH2AX fociは少ないが、 spheroid形成はCD133+、CD44+/ESA+細胞のみに認められた。CD133+、CD44+/ESA+細胞は、X 線或いは炭素線照射に対しともに抵抗性を示すが、炭素線はより強い細胞殺傷能力が認められた。またCD133+、CD44+/ESA+細胞はCD133-、CD44-/ESA-細胞に比べ有意な腫瘍形成能を示し、炭素線はX線照射に比べより強い腫瘍増殖抑制や高い治癒率が認められた。以上より、大腸癌細胞において、CD133+、CD44+、ESA+細胞は明らかに自己複製や放射線抵抗性を示しており、炭素線はX線照射に比べより強く癌幹細胞を殺傷することが示唆された。
著者
崔 星 大西 和彦 山田 滋 鎌田 正
出版者
Journal of Radiation Research 編集委員会
雑誌
日本放射線影響学会大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.156, 2011

肝細胞癌は世界で最も罹患数が多い悪性腫瘍の一つで、日本では増加傾向であり、年間死亡数は3.4万人とがん死亡では3位である。放医研では今まで300例近い重粒子線による肝癌治療を行っており、良好な治療成績が得られている。本研究は、肝癌細胞株Huh7、HepG2を用い、放射線抵抗性や薬剤耐性と強く関与するとされる癌幹細胞を分離・同定し、これら癌幹細胞に対して、炭素線或いはX線照射前後のコロニー形成能、spheroid形成能、DNA損傷の違いを調べ、またSCIDマウスに移植し、腫瘍形成能の違いについて比較検討した。Huh7、HepG2細胞においてCD133+/CD90+はそれぞれ6.4%と0.6%、CD44+/ESA+細胞は1.5%と0.2%であった。CD133+/CD90+、CD44+/ESA+細胞はCD133-/CD90-、CD44-/ESA-細胞に比べ有意にコロニー形成数が多く、spheroid形成や腫瘍形成はCD133+/CD90+、CD44+/ESA+細胞のみに認められた。CD133+/CD90+、CD44+/ESA+細胞は、X線、炭素線照射に対しともに抵抗性を示すが、炭素線はより強い細胞殺傷能力が認められた。炭素線はX線照射に比べより強い腫瘍増殖抑制や高い治癒率が認められた。以上より、肝癌細胞において、CD133+/CD90+、CD44+/ESA+細胞は明らかに自己複製や放射線抵抗性を示しており、炭素線はX線照射に比べより強く肝癌幹細胞を殺傷することが示唆された。
著者
大西 和彦
出版者
仏教史学会
雑誌
仏教史学研究 (ISSN:02886472)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.p69-94, 1985-03