著者
坂本 忠規 鎌田 正彦
出版者
公益財団法人 竹中大工道具館
雑誌
竹中大工道具館研究紀要 (ISSN:09153685)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.21-39, 2017 (Released:2021-03-20)
参考文献数
17

本稿は新出資料である「普請下絵図畳板」に含まれている畳板と製図道具について、それぞれ資料紹介と評価を行い、あわせて近世的な製図技法と道具について考察を加えたものである。要点は次のとおりである。 1. 畳板は畳の縮尺1/20の模型で、大規模屋敷の平面計画に用いられたと考えられる。これまで紙製のものが知られていたが、本資料は木製でありかつ壁・敷居の位置を示す敷棒まで含まれており、貴重である。 2. 6点の製図道具はそれぞれ添軸、図引、突針の三種に分類され古様を残している。添軸とは毛筆と合わせて用いる製図補助具であり戦後まで一部の大工の間で使用されていた。図引は現在でいうところの烏口に相当する道具であることがわかった。 3. 本資料の使用年代は早ければ17世紀まで遡る可能性があるものの、製図道具の発達状況から勘案して19世紀前半頃、遅くても明治初期頃と推測した。
著者
鎌田 正裕
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.38-39, 2001
参考文献数
3
著者
長谷川 正 松川 正樹 鎌田 正裕 新田 英雄 犀川 政稔 真山 茂樹 長谷川 秀夫 原田 和雄 中西 史 松川 正樹 長谷川 秀夫 新田 英雄 鴨川 仁 小川 治雄 前田 優 犀川 政稔 吉野 正巳 真山 茂樹 原田 和雄 中西 史 土橋 一仁 西浦 慎吾 鎌田 正裕
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

理科の実験・観察を児童・生徒に印象づけるための動的実験・観察教材として,室内用を29件,野外用を3 件開発した.そして,それらを授業実施するため,教師,児童・生徒,保護者,地域のボランティアと大学教員や学芸員,学生としての院生と学部生からなる室内型と野外型の支援システムを構築した.さらに,学生・院生の科学コミュニケーターとしての意識を高めための,支援システムを活用した科学コミュニケーター育成プログラムの開発を試みた.
著者
鎌田 正利
出版者
東京大学大学院農学生命科学研究科獣医学専攻
巻号頁・発行日
2011-03-24

報告番号: 甲26963 ; 学位授与年月日: 2011-03-24 ; 学位の種別: 課程博士 ; 学位の種類: 博士(獣医学) ; 学位記番号: 博農第3716号 ; 研究科・専攻: 農学生命科学研究科獣医学専攻
著者
鎌田正著
出版者
大修館書店
巻号頁・発行日
1992
著者
崔 星 大西 和彦 山田 滋 鎌田 正
出版者
Journal of Radiation Research 編集委員会
雑誌
日本放射線影響学会大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.156, 2011

肝細胞癌は世界で最も罹患数が多い悪性腫瘍の一つで、日本では増加傾向であり、年間死亡数は3.4万人とがん死亡では3位である。放医研では今まで300例近い重粒子線による肝癌治療を行っており、良好な治療成績が得られている。本研究は、肝癌細胞株Huh7、HepG2を用い、放射線抵抗性や薬剤耐性と強く関与するとされる癌幹細胞を分離・同定し、これら癌幹細胞に対して、炭素線或いはX線照射前後のコロニー形成能、spheroid形成能、DNA損傷の違いを調べ、またSCIDマウスに移植し、腫瘍形成能の違いについて比較検討した。Huh7、HepG2細胞においてCD133+/CD90+はそれぞれ6.4%と0.6%、CD44+/ESA+細胞は1.5%と0.2%であった。CD133+/CD90+、CD44+/ESA+細胞はCD133-/CD90-、CD44-/ESA-細胞に比べ有意にコロニー形成数が多く、spheroid形成や腫瘍形成はCD133+/CD90+、CD44+/ESA+細胞のみに認められた。CD133+/CD90+、CD44+/ESA+細胞は、X線、炭素線照射に対しともに抵抗性を示すが、炭素線はより強い細胞殺傷能力が認められた。炭素線はX線照射に比べより強い腫瘍増殖抑制や高い治癒率が認められた。以上より、肝癌細胞において、CD133+/CD90+、CD44+/ESA+細胞は明らかに自己複製や放射線抵抗性を示しており、炭素線はX線照射に比べより強く肝癌幹細胞を殺傷することが示唆された。
著者
岩井 啓一郎 松本 主之 江崎 幹宏 八尾 隆史 鎌田 正博 飯田 三雄
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.48, no.10, pp.2493-2498, 2006-10-20 (Released:2011-05-09)
参考文献数
20

症例は71歳,男性.山で採取したツキヨダケを摂取したところ,その8時間後より激しい腹痛,嘔吐,下痢が出現し来院した.第4病日の内視鏡検査では,十二指腸下行部に浮腫とびらん形成を伴った粗槌粘膜をびまん性に認め,第7病日に施行したX線検査では,十二指腸下行部から水平部にかけてKerckring皺襞の腫大,線状ないし不整形バリウム斑の多発,および亀甲様粘膜面を認めた.保存的治療のみで臨床症状は速やかに改善し,2カ月後の内視鏡検査では十二指腸病変の治癒が確認された.患者血清中にツキヨダケの毒素であるイルージンSは証明できなかったが,臨床経過から自験例はツキヨダケの誤摂取により生じた急性十二指腸炎と考えられた.ツキヨダケによる食中毒は発生件数が多いものの,その消化管病変に関する記載は少なく,自験例は貴重と考えられた.
著者
尾松 徳彦 岸本 理和 神立 進 小畠 隆行 入江 大介 若月 優 唐澤 久美子 安藤 裕 鎌田 正
巻号頁・発行日
2012-09-22 (Released:2014-06-14)

【背景】骨盤の不全骨折は、閉経やステロイドなど、骨粗鬆症が背景にあり、軽微な外力で引き起こされる骨折である。骨盤の放射線治療も、原因は不明であるが、骨盤の不全骨折の原因となる。骨盤の不全骨折は、仙腸関節部の頻度が高いと報告されている。【目的】放射線治療後に仙腸関節部に不全骨折をきたした症例の画像所見と経過観察による画像の変化を調べた。【方法】2007年1月から2009年12月までの間、子宮腫瘍(子宮頸癌15例、子宮内膜癌1例、子宮癌肉腫1例)により、骨盤に放射線治療を行った患者のうち、MRIで、仙腸関節部に不全骨折、放射線骨炎をきたしたと考えられる17例(37〜81歳、平均年齢:66.4歳)について、不全骨折の部位、不全骨折までの期間、不全骨折が診断された時点の、ADC(見かけの拡散係数) mapにおける、仙腸関節部不全骨折周囲の浮腫や炎症を反映していると考えられる周囲骨髄よりも高値を示す領域のADCの平均値、不全骨折診断後の経過をMRIで調べた。治療方法は、X線治療(外照射49.8〜60.6Gy、腔内照射23〜30Gy)が11例、重粒子線治療(72GyE/20fx)が6例であった。【結果】17症例中8例が両側仙腸関節、4例が右仙腸関節のみ、5例が、左仙腸関節のみであった。治療終了後から、不全骨折が診断されるまでの期間は、145〜891日(平均437.5日)であった。ADCの平均値は、0.899〜2.099×10-3mm2/sec(1.658×10-3mm2/sec)であった。不全骨折と診断される前のMRI画像では、ADC mapを含め、異常所見は認められなかった。不全骨折と診断してからMRIで経過観察できたのは7例であり、そのうち、3例は、MRIで骨折、炎症と考えられる異常信号は変化ないか、拡大した。4例では、無治療での経過観察で骨折、炎症が縮小した。骨折、炎症が縮小した4例は、平均のADCが、1.488×10-3mm2/secであり、平均よりも低い傾向が認められた。 JSAWI2012 第13回シンポジウム
著者
熊埜御堂 毅 福永 昌夫 鎌田 正信 今川 浩 安藤 泰正 和田 隆一 新田 仁彦 秋山 綽
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.1191-1197, 1986-12-15

西日本地域の馬飼養地2箇所において, 1980年5月11日〜11月18日の期間, 隔週に採集した雌成虫蚊33,604匹から, Vero及びHmLu-1細胞培養によって計13株のウイルスが分離された。これら13株中4株はゲタウイルス, 9株は日本脳炎ウイルスと同定された。ゲタウイルス4株中3株は宮崎競馬場から採集されたコガタアカイエカ200プール19,465匹から分離され, 感染率は1:6,488であった。残りの1株は栗東トレーニング・センターで採集された5,897匹のコガタアカイカから分離された。宮崎競馬場及び栗東トレーニング・センターにおけるコガタアカイエカは全採取蚊種のそれぞれ85.1%及び54.5%を占め, 両調査地において捕獲されたキンイロヤブカは2%以下であった。以上の成績から西日本地域の散発的ゲタウイルス感染症においては, コガタアカイエカが主要ベクターであることが示唆された。