著者
大谷 寛
出版者
The Gemmological Society of Japan
雑誌
宝石学会誌 (ISSN:03855090)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1-4, pp.175-189, 1999-12-31 (Released:2017-01-16)

本稿は日本における宝石学の歴史について述べるものではなく,その歴史年表についての記載内容を解説するものである。宝石学の意図するものは,宝石そのものの科学的性質,歴史的意義について研究するものと考えられている。宝石の存在価値として,第一に装身に用いられる材質の一つであることがあげられる。そうした観点からこの年表作製にあだってある程度,鉱物学的見地,装身的見地からその項目の選定が行われても当然であると考えた。日本の宝石・装身具の歴史を考えた場合,その研究を専門とする学問分野はなく,したがってその専門学者の存在もなく,一部の鉱物学者・考古学者・服飾学者がその歴史に興味を示し,本来の研究のかたわら,記述・発表しているに留まっているのが現状である。今後,この分野での専門家の誕生が待たれており,当宝石学会においても,この分野の研究がなされることが強く望まれる。しかしながら,鉱物学者,考古学者による研究の内容は,宝石学の研究の一部門として非常に優れた内容をもっている。ただ,これらの学者と宝石学の関係者との接触が密ではなく,その研究の成果が十分に宝石学にとりいれられていないのが現状である。したがって,この年表においても,その内容の多くは鉱物学者,考古学者の研究の成果を記述するものとなり,他学会の発表内容も記載するものとなっている。
著者
大谷 寛之 相場 雄一 大和 純一 青木 久幸
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.43-44, 1997-03-12

近年、データベースの大規模化、マルチメディアサーバの発展に伴い、大容量、高スループットアクセスが可能なファイルシステムの需要が高まっている。そこで我々は、多数の記憶装置が接続されたワークステーションクラスタシステム上で動作する並列ファイルシステム (MFS)^1 を開発した。しかし、クラスタシステムでは、個々の装置の障害によって全体がその影響を受けるために、フォールトレラントや、障害リカバリーが重要な課題である。本稿ではMFSにおける障害リカバリー後の整合性検査機能について記述する。一般にファイルシステムにおいて障害が発生した後は、ファイルシステムの整合性検査が必須である。これは、障害でシステムダウンしたことにより、メモリ中に存在していたファイルキャッシュの内容と、記憶装置上に残された内容に矛盾が生じている可能性があるためである。この処理は、すべてのファイルの管理情報を調査するため、比較的コストを要する処理である。特に、多数の記憶装置から構成される大規模なファイルシステムにおいては、膨大なコストを要する。そこで、検査処理の高速化を目的とし、並列的に検査処理を実行する並列検査機能の実装を行なった。