著者
君付 隆 堀之内 謙一 外山 勝浩 春田 厚 紀井 登志哉 原 由紀代 鳥原 康治 松浦 宏司 大迫 廣人 竹中 美香
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.131-136, 2005-03-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
18

耳に掻痒感を訴える患者は多く、一般的にステロイド含有軟膏などの塗布が行われている。今回、耳掻痒感の訴えのある患者に抗ヒスタミン薬であるベシル酸ベポタスチンを投与し (T群) 、その効果をアンケート (かゆみスコア) により検討した。投与3日後、1週後で有意差をもってスコアが改善した。即効性の検討においては、服用後30分で既にスコアの改善を認めた。プラセボ群 (通常の治療群、P群) との比較においては、T群とP群の両群で1日後よりスコアの低下を認めたが、T群とP群間での差は認めなかった。
著者
大迫 廣人 春田 厚 坪井 陽子 松浦 宏司 小宗 静男
出版者
The Oto-Rhino-Laryngological Society of Japan, Inc.
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.104, no.5, pp.514-517, 2001-05-20 (Released:2010-10-22)
参考文献数
14
被引用文献数
2 4

耳かきによる機械的刺激が外耳道湿疹の原因となり, その繰り返す慢性炎症が癌誘発の一因と考えられた外耳道癌症例を経験した. 外耳道肉芽腫を伴う外耳道湿疹が軽快せず平成9年7月生検を行った結果, 左外耳道癌と診断された. 外科的治療および化学療法, 放射線治療を行うも効を奏せず腫瘍が拡大進展し, 約8ヵ月後には対側の右外耳道に癌が発症した. 最終的に不幸な転帰をとったが, 両耳の病巣についてDNA遺伝子解析を行いその結果P53遺伝子の異常により両外耳道癌は転移性癌ではなく全く独立した重複癌ということが判明した.