著者
天野 暁
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.57, no.9, pp.774-780, 2020-09-18 (Released:2020-10-22)
参考文献数
32
被引用文献数
1

現在の脳卒中リハビリテーション領域の上肢機能関連研究においては,Fugl-Meyer Assessment(FMA)とAction Research Arm Testが重要な位置を占めている.両ツールともに,本邦における使用環境も整っており,通常の臨床業務での利用も推奨される.仮にFMAの実施時間が負担になるのであれば,短縮版FMAを導入することで,臨床業務とのバランスが取れる可能性がある.臨床研究デザインを評価視点で一段階引き上げたい場合には,適切な信頼性が確認された遠隔評価システムの導入を検討することによって,評価者盲検化を達成できる可能性がある.
著者
梅地 篤史 天野 暁 橋本 幸久 内山 侑紀 道免 和久
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.107-113, 2021-02-15 (Released:2021-02-15)
参考文献数
14

要旨:欧米では,脳性麻痺や脳卒中の小児症例に対してCI療法を実施し,その効果が報告されている.今回,脳梗塞後片麻痺を呈した8歳の女児に2度のmodified CI療法を実施した.小児症例にCI療法を実施するにあたり,長時間の訓練へ集中と麻痺手に対するモニタリングが困難であることが予想された.それに対して,訓練環境や時間,方法を工夫,修正した.1度目の介入後に上肢機能の改善を認めたが,日常生活での麻痺手の使用は不十分であったため,実生活での使用に着目し2度目のmodified CI療法を実施した.その結果,さらなる上肢機能の改善と,麻痺手の使用方法に変化を認め,介入1年後まで改善が維持された.