- 著者
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太田 孝
西郷 昭三郎
鈴木 金苗
村越 一彦
- 出版者
- 日本雑草学会
- 雑誌
- 雑草研究 (ISSN:0372798X)
- 巻号頁・発行日
- vol.11, pp.10-14, 1971-03-25
除草剤空中散布の実用性を検討するため,散布適期幅の広いベンチオカーブ・シメトリン粒剤を使用して,6haの水田(埴壌土)において試験を行なった。供試水田の田植時期は8日間の幅があり,優占雑草はヒエ,コナギ,マツバイであった。 薬剤の落下状況は,量としては平均3.07kg/10aで月標に近かったが,変異係数50%近くのかなりの散布むらが生じた。薬害はほとんどみられなく,平均雑草重が無散布に対し約3%と高い殺草効果が認められた。相対的に雑草の多かった場所は,薬剤落下量が少なかった場所や,しろかきや田植時期から散布までの日数の長い場所であったが,それでも実用的には十分な殺草効果が認められた。これらの主因は供試薬剤が散布適期幅が広いこと,殺草力が大であること,拡散性が大であることなどの作用特性によるところが大きい。ほ場条件,栽培条件が異なり,散布むらがかなりあっても,除草剤の空中散布の実用性が認められた。