著者
太田 直一
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学教育 (ISSN:24326542)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.182-188, 1972-06-20 (Released:2017-09-22)

土壌および生物は, 環境問題を考える場合の最も身近なものとして, "汚染"を判断するための基礎となるデータ(バックグラウンドまたは正常値)が望まれている。しかし, 土壌も生物も非常に複雑多様な系なので, たとえ問題を構成元素だけにかぎっても, 有効なバックグラウンド像を得ることはきわめて困難なのが実情である。本項では, 土壌については構成物質と組成について, また生物については構成元素と生物体への元素の蓄積について, それぞれ概要をのべることとする。