著者
太田 義雄 影山 智絵 薄井(三宅) 教子 角田 咲絵 福本 美里 前田 佐紀 又賀 春奈 松本 千加 三村 麻依 山本 由希乃 湯浅 美代子
出版者
中国学園大学/中国短期大学
雑誌
中国学園紀要 = Journal of Chugokugakuen (ISSN:13479350)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.103-108, 2014-06-16

「身体の冷え」改善の食材として,ショウガに注目し,ヒトがショウガを単回摂取した際および長期摂取した際の生体応答(体温,血圧,脈拍,末梢血流,表面温度の変化)について検証した。ショウガの単回摂取においては,腋窩体温や血圧の変動は認められないが指末梢血流量が一時的に増加する傾向が認められた。体感的な体温上昇を感じるのは,この末梢血流量の増加に起因した感覚であると考えられる。しかし,今回の条件下(摂取量:ショウガ粉末0.25 ~ 0.75g/100g,測定時間:1時間)の単回摂取では,からだ全体の体温上昇は認められず,温熱効果は確認できなかった。また,ショウガを10日間連増摂取した際の,緩和な寒冷ストレス負荷試験において指表面温度の回復が早くなる傾向が認められた。この変化は冷え症を自覚している人の方が顕著であり,温度回復後の指表面温度の上昇も認められた。このことから,ショウガの長期摂取により,末梢の血流改善が図られる可能性が示唆され,冷え症の改善が期待できる。
著者
渡辺 敦夫 太田 義雄 木村 尚史 梅田 圭司 木村 進
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.260-265, 1979-06-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
16
被引用文献数
4 11

温州ミカン果汁を逆浸透法により濃縮する間に生ずる膜面付着物について分析を行ない,付着成分は主として,ペクチンおよびセルロースようの不溶性成分であることを確認した。そこで,ペクチンおよびセルロースからなるモデル液を使用し,付着層による水透過に対する抵抗の成長速度について検討を加えた。セルロース懸濁液では水透過速度の減少はまったくなかったが,ペクチン溶液においては急速な水透過速度の低下が見られた。しかし,ペクチンを塩化カルシウムで不溶化することにより水透過速度の低下を減少させることができた。従って,ペクチンが水透過に対する抵抗形成の主要成分であることがわかった。膜面付着ペクチンの分子量分布についてゲル濾過法を用い検討を加え,逆浸透濃縮中に膜面に付着するペクチンは高分子ペクチンが主体であることを確認した。