著者
矢澤一樹 糸山克寿 奥乃博
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.17, pp.1-6, 2013-08-24

本稿では,ギター演奏者の演奏支援をするために実際のギター演奏音から演奏者の習熟度に応じたタブ譜を自動生成する手法について述べる.具体的には,初級者向けには音符の欠落などを許容してでも演奏が容易なタブ譜を,上級者向けには音高を正確に再現するタブ譜を,それぞれ生成する.推定される運指の難易度は,音響再現度と運指容易度の相対的な重みをユーザー側で調整することによって変更可能である.本手法によって得られたタブ譜について音響再現度と運指容易度の両面から評価を行った結果,パラメータを変更することによって音高推定の適合率を保ったまま運指を簡略化できることが確認された.
著者
信田春満 尾形哲也 奥乃博 高橋徹 日下航
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.125-126, 2011-03-02

認知ロボティクスにおいて身体図式の獲得は重要なテーマの一つである。従来研究では運動指令値と視覚を相関学習させるため,視覚中の身体位置が既知であることが前提であった。対して本手法は「予測(操作) できる部分が身体である」という考えに基づき、運動指令値と視覚の関係を予測学習することによって画像中の他者と自己の身体識別を可能とした。具体的には神経力学モデルであるMTRNN に運動指令値及び自己と他者の身体を含む視覚情報を入力し予測学習させ,予測可能部分を自己身体とした。実験の結果,MTRNN は運動指令値のみから自己身体を他者身体に比べ平均10 倍の精度で予測できることが確認された。
著者
池宮由楽 糸山克寿 吉井和佳 奥乃博
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2014-MUS-104, no.23, pp.1-6, 2014-08-18

本稿では,音楽音響信号に含まれる歌声の基本周波数 (F0) 軌跡に対して歌唱表現 (ビブラート・グリッサンド・こぶし) を転写することを可能とするシステムを提案する.能動的音楽鑑賞インタフェースは,エンドユーザのインタラクティブな音楽鑑賞を実現することを目的とした研究アプローチである.これには既存楽曲の加工支援も含まれ,歌声に関連するものでは,声質変換や歌声分離などの研究がなされている.本研究では,歌唱の歌い回しの加工を扱い,特に混合音中の歌声の F0 軌跡を任意に編集するインタフェースを実現する.ユーザは,歌声の任意の箇所を指定し,好みの歌唱表現を転写することで,歌い回しを自由に加工することができる.また,事前に市販楽曲からプロ歌手の歌唱表現を蓄積したデータベースを作成し,ユーザはそのデータベースから歌唱表現を参照することで直感的に転写を行うことが可能となる.歌唱表現の転写は,対数周波数軸において選択的に歌声のスペクトルのみをシフトさせ,伴奏音への影響を抑圧しながら歌声の音高を操作することで行われる.このとき,音韻性を保持するためスペクトル包絡を用いて音色の補正を行う.実際にユーザが表現の転写箇所を指定したり,F0 の存在範囲を提示するため,Graphical User Interface (GUI) の作成を行っている.実験では,音色補正の有効性やユーザ入力を用いた F0 推定の頑健性などを確認した.
著者
竹内郁雄 奥乃博 大里延康
雑誌
情報処理学会研究報告プログラミング(PRO)
巻号頁・発行日
vol.1982, no.34(1982-PRO-020), pp.1-8, 1982-10-18
著者
大里延康 竹内郁雄 奥乃博
雑誌
情報処理学会研究報告プログラミング(PRO)
巻号頁・発行日
vol.1984, no.71(1984-PRO-031), pp.5-12, 1985-03-12
著者
中臺一博 奥乃博
雑誌
デジタルプラクティス
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.133-140, 2011-04-15

ロボット聴覚用のオープンソースソフトウェアとして研究開発を行っているHARK (HRI-JP Audition for Robots with Kyoto Univ.) の展開について説明する.HARK は複数のマイクロフォン(マイクロフォンアレイ)からの入力をもとに,音源定位,音源分離,さらに分離音声の認識までをサポートするソフトウェアであり,GUIプログラミング環境上で様々なモジュールを配置・接続することにより,形状やマイクロフォンレイアウトが異なるロボットに対応させたり,用途に合わせたロボット聴覚システムを構築したりすることができる.本稿では,HARK の設計指針を解説し,HARKを用いて構築したシステムの応用例,HARKの展開も併せて報告する.