著者
奥泉 和也 久保田 信
出版者
日本生物地理学会
雑誌
日本生物地理学会会報 (ISSN:00678716)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.39-41, 2003-12-12
参考文献数
3

山形県沿岸から2002年と2003年に計24個体のハナクラゲモドキを観察・採取した. その内の雌1個体の外部形態, 刺胞相, 卵の直径を記載する. 本種の成熟個体の記載は日本からは初めてとなる. この雌個体は, これまで北日本 (2地点) から報告されているどの7個体よりも大きく, 傘径と傘高はともに15.1mmあり, また最大数の触手を備えていた (よく発達した少なくとも80本の触手に加えてほぼ同数の小型の触手). 触手や口唇に装填される刺胞 (無棘型等根体と短床型有鞭体の2種類) と体部位ごとのそれぞれの刺胞の大きさを記載した. また, 放卵された未成熟卵の直径は, 通常104μmであった.