著者
奥田 宏司
出版者
比較経済体制学会
雑誌
比較経済研究 (ISSN:18805647)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.2_15-2_26, 2010 (Released:2011-02-18)
参考文献数
17

小論ではドル体制とはどのような体制であるかを規定したうえで,ドル体制の現局面を明らかにしたい.オイルマネーの米への還流,EU,日本等の対米投資の「復活」も厳しいとすれば米経常赤字のファイナンスは厳しく,ドル体制は不安定さが増していくだろう.また,「ドル離れの兆候」がいくつかみられる.ロシアも含め全欧州においてユーロの地位が高まってきており,湾岸諸国においてドル・ペッグ制が継続されるか予断を許さない.