著者
子吉 知恵美
出版者
石川県公立大学法人 石川県立看護大学
雑誌
石川看護雑誌 (ISSN:13490664)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.45-57, 2010

本研究は,就学前において発達障害児を早期発見し,早期支援に結びつけるために専門職者の保護者への支援体制の実際と,就学へと継続支援していくために専門職者の経験年数が影響あるのか一考察を得ることを目的に行った.就学前の様々な支援体制の中で,保健センターでは乳幼児健診とその後のフォロー,教育委員会では平成19年度から都内全域で進められている就学支援シートに主に着目した.教育委員会と保健センター双方の調査結果から,保護者への支援体制を整える一方,関係機関がそれぞれで体制を整えるのではなく継続支援のための一貫した組織編成や専門職者による発達障害の情報提供などが保護者の認識を得るための条件との一考察を得た.また,専門職者の経験年数が継続支援のための支援体制に影響があるかということでは,就学支援シートの活用については,影響があると示唆されたが,それ以外については特に影響がないという見解を得た.(著者抄録)
著者
子吉 知恵美
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.62-69, 2020-06-20 (Released:2020-06-23)
参考文献数
15

目的:がん終末期を自宅で過ごす子育て期にある女性患者の療養生活上の課題と支援の現状を明らかにする.方法:がん終末期を自宅で過ごす子育て期にある女性患者を支援した経験のある訪問看護師3人に半構成的面接法を行い質的帰納的分類法でカテゴリを抽出した.結果:課題では《支援体制が不足している》《病気の進行が早く療養者と家族の両方のニーズを満たすための時間が限られる》が抽出された.また,支援の現状では《時間と使えるサービスがない中で在宅療養を可能にするような支援をする》《子育て期にある療養者の状況の理解と意思決定支援》《子育て期にある療養者の苦痛を緩和できるよう支援する》《子どもも含めた家族の理解の確認と思いの表出を支える家族支援をする》が示された.結論:支援制度の不足など子育て期特有の課題が示されたが,訪問看護師は子育て期であることを理解した上で支援を行っていたことが明らかとなった.
著者
子吉 知恵美
出版者
石川県立看護大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

就学前における発達障害児(ADHD/注意欠陥多動性障害・LD/学習障害・高機能自閉症など)の子どもたちとその保護者に対する支援をつなげていくためのツールに関する研究である。乳幼児健診で子どもの発達障害を指摘された後、子どもが不適応を起こさないように、保育所・幼稚園、さらに小学校へと適切な関わりがなされるように、子どもの特性を関わる職種が理解し、援助をしていけるように、どのような支援ツールが有効であるのか検討した。