著者
宇都宮 裕人 廣瀬 卓哉
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.112-118, 2023-02-15 (Released:2023-02-15)
参考文献数
15

日常生活において麻痺手の使用頻度が乏しい回復期脳梗塞患者に対し,3Dプリンタで作製した筆記自助具を麻痺手機能の改善状況に合わせ段階的に変更を加え提供した.同患者へは,日記をつける際に自助具を用いた麻痺手で行うことを促した.結果,上肢機能評価において臨床上意義のある最小変化量を超えた改善が得られた.また,福祉用具満足度評価では,症例の上肢機能改善に応じて,修正を加えた3Dプリンタの自助具に対して高い満足度が示された.以上の結果は,上肢機能の変化に応じて自助具の形状を変更する方略が上肢機能訓練において有用な手段であることを示唆した.
著者
宇都宮 裕人 廣瀬 卓哉
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.517-523, 2023-08-15 (Released:2023-08-15)
参考文献数
20

感覚障害により,日常生活において麻痺手の使用頻度が乏しい回復期脳梗塞患者を担当した.事例に対して,代償モデルを用いた3Dプリンタで作製した食事用自助具を提供した.同患者へは,自助具のニーズを確認しつつ,個別性に考慮した自助具の調整を行った.結果,感覚障害に変化はないが,自助具適応直後より麻痺手での食事動作の獲得,一部の上肢機能評価において短期間での臨床上意義のある最小変化量を超えた改善が得られた.以上の結果は,3Dプリンタで調整した自助具を代償モデルとして適応することは,事例の残存能力を活かした上で,食事などの事例にとって意味のある活動の獲得や上肢機能の改善に有用であったことが示唆された.
著者
佐藤 光 竹林 崇 花田 恵介 渡嘉敷 淳 宇都宮 裕人
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.711-718, 2022-12-15 (Released:2022-12-15)
参考文献数
10

近年,遠隔リハビリテーションの有効性が示されている.米国では脳卒中患者に対し,遠隔Constraint-induced movement therapy(CI療法)が古くから試行されている.事例は脳卒中後右片麻痺を呈し,回復期リハビリテーション病棟退院後当院への外来受診を検討していたが,通院が困難であった.したがって,1回40分の遠隔CI療法を週2回の頻度で計8回実施した.結果,Fugl-Meyer Assessment,Motor Activity Logが回復期リハビリテーション病棟退院後に,臨床的に意味のある最小変化量を超える改善を認めた.本報告では,遠隔CI療法における経過を報告する.