著者
守山 拓弥 守山 弘
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画学会誌 (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.453-460, 2016-03-30 (Released:2017-03-30)
参考文献数
33

In 1730's Japan, One investigation to clarify the local products was carried out, and the final issues were submitted to the government with the name “Sanbutsucho”. On the other hand copies of the primal documents reported by farmers were kept in respective districts. We surveyed 3 papers of these historical materials presented from the villages around the Utsunomiya city, and identifi ed the fishes reported by ancient and/or local names. 15 Names were identified to the taxonomical species. These results showed that the farmers of the Edo Age possessed high identification accuracy and taxonomic knowledge to fishes.
著者
中島 直久 野田 康太朗 守山 拓弥 森 晃 渡部 恵司 田村 孝浩
出版者
公益社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業農村工学会論文集 (ISSN:18822789)
巻号頁・発行日
vol.86, no.2, pp.I_225-I_234, 2018 (Released:2018-11-01)
参考文献数
35

春季におけるトウキョウダルマガエルの生息場保全策の検討に向けて, 本種が冬眠から目覚めて地上へ這い出す際に残す這い出し穴の形状を特定し, ニラ畑と裸地の2圃場において這い出しの時期と, その時の地温および降水量との関連を調べた.対象地の這い出しは4月中旬~5月下旬に行われ, 2山のピークが確認された.調査日間の日平均這い出し穴数, 日最高・最低地温, 期間最大連続雨量を指標とすると, 這い出しは日最高地温が12~15℃の範囲で開始した.両圃場において日平均這い出し穴数と期間最大連続雨量との間に正の相関関係が認められた.これらの結果から, 本種は日最低地温が特定の温度以上において降雨がある場合に, 越冬を終了して地上へ這い出すと推測された.
著者
野田 康太朗 中島 直久 守山 拓弥 森 晃 渡部 恵司 田村 孝浩
出版者
応用生態工学会
雑誌
応用生態工学 (ISSN:13443755)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.165-173, 2020-03-28 (Released:2020-04-25)
参考文献数
26
被引用文献数
3

本研究では,トウキョウダルマガエルを対象とし,第一に PIT タグの個体へおよぼす影響およびタグリーダーによる探知能力の両面から,越冬個体の探知に適した手法か検討した.第二に,対象地にて PIT タグを挿入した個体の越冬場所の探知を試みた.さらに,栃木県上三川町の水田水域において越冬個体の探知を試みた.PIT タグが個体へおよぼす影響を調べるため,PIT タグを挿入した群と挿入していないコントロール群を 15 日間飼育したところ,斃死及びタグが脱落した個体はおらず,体重の増減にも両群間に有意な差は見られなかった.探知能力の検討では PIT タグを土中に埋める試験区を設け実験した.その結果,深度 20 cm までの読み取りは可能であったが,30 cm より深くは読み取れなかった.さらに,栃木県上三川町で実施した水田水域における越冬個体の探知では,30 個体の越冬場所を確認した.Neu 法により解析したところ,30 個体の越冬地点は,畑地に集中していることが明らかとなった.また,越冬深度は 7.4-27.0 cm,平均 18.3±4.7 SD [cm] であった.この結果から,水田水域に生息するカエル類と比較し,本種はより深い地中で越冬する生態を有する可能性もあった.一方で,越冬深度の違いが PIT タグと掘削という手法の違いに起因する可能性もある.なお,本研究の結果は冬期湛水水田が卓越した地域において実施された事例的な研究である.今後は PIT タグを用いた越冬個体の探知方法により,異なる気象条件の地域,営農方法や圃場構造等が異なる地区での知見を集積することが望まれる.