著者
相澤 正隆 安井 光大
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.68, 2021

<p>東北日本弧では,日本海の拡大期にあたる中期中新世頃に,火山フロントが現在よりも約20 km海溝側へ移動した。青森県の下北半島東部に分布する中部中新統の泊層火山岩は,当時の火山フロントを構成する火山岩層である。リフティングの進行に伴い,全岩化学組成は肥沃的な沈み込み帯火山岩の特徴を示す。一方,下北半島西部の第四紀火山フロント周辺に分布する約20 Ma以降の火山岩は,苦鉄質から中間質岩は泊層火山岩に比べて枯渇的な同位体組成を示し,珪長質岩は下部地殻組成(一の目潟)の組成と類似する。西部地域では,少なくとも20 Ma以降,同位体組成の顕著な時間変化はみられない。また,東部の泊層火山岩は,一部で下部地殻の影響をより強く受けていることが示唆される。※本研究は,2020年度下北ジオパーク研究補助金の交付を受けた。</p>