- 著者
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             井上 学
             
             道堯 浩二郎
             
             高橋 和明
             
             安倍 夏生
             
             岡 清仁
             
             布井 弘明
             
             上田 晃久
             
             島瀬 公一
             
             日浅 陽一
             
             堀池 典生
             
             三代 俊治
             
             恩地 森一
             
          
- 出版者
- 一般社団法人 日本肝臓学会
- 雑誌
- 肝臓 (ISSN:04514203)
- 巻号頁・発行日
- vol.47, no.10, pp.459-464, 2006 (Released:2007-01-29)
- 参考文献数
- 24
- 被引用文献数
- 
             
             12
             
             
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        症例は,54歳の女性.全身倦怠感と黄疸と肝機能異常(T.Bil 2.9mg/dl, AST 1143IU/l, ALT 1767IU/l, γ-GTP 158U/l)により急性肝炎と診断.入院後,安静のみで経過観察し,劇症化,遷延化することなく軽快退院した.海外渡航歴,薬剤服用歴はなく,A, B, C型肝炎ウイルスマーカー陰性,抗核抗体陰性.発症1カ月前にイノシシ肉を摂取していたため,E型肝炎ウイルス(HEV)マーカーを測定したところ,IgM型HEV抗体及びHEV-RNAが陽性であり,急性E型肝炎と診断した.HEV genotypeは3型であった.当初はイノシシ肉の摂食による感染が疑われたが,調理行為により感染した可能性も考えられた.海外渡航歴のない国内発症の急性E型肝炎としては,本例が四国からの初報告例となる.