著者
安心院 純子
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.34, no.7, pp.919-923, 2014 (Released:2014-12-27)
参考文献数
5

近年,女性医師数の増加により,国や各施設では「仕事と家事・育児の両立」「管理者,指導的役割としての将来」を勘案した制度改革や環境改善の検討がなされている.病院内の併設保育施設や育児のための短時間勤務制度の導入が進み,女性医師が働きやすい環境になりつつある.今後,われわれ女性医師はワークライフバランスを考慮した新しい働き方を視野に入れ,一人一人がキャリアデザインを明確にできるよう,支援環境の整備をより広めていく必要がある.その一方で女性医師はこのような環境を当然のものと思わず,周囲の理解や援助を得ているからこそ今の自分があるということを自覚し,努力する必要がある.
著者
高谷 哲夫 安心院 純子 長谷川 純 山崎 一
出版者
Japan Society of Pain Clinicians
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.516-518, 2003-10-25 (Released:2009-12-21)
参考文献数
11

星状神経節ブロック (SGB) は網膜の血流を増やし, 視神経炎の治療に有効とされている. SGBで, 視神経炎後の視覚障害が著明に改善した症例を経験した. 症例は60歳の女性で, 左眼の視力低下と両眼の乳頭浮腫, および右眼のマリオット盲点の拡大, 左眼の中心暗点とマリオット盲点の拡大を認め, 両眼の視神経炎と診断された. ステロイド治療によって視力はかなり改善したが, 左眼の色覚異常や変視症などの視覚異常が残った. 視神経炎罹患1年6カ月後, 両手のレイノー現象のために当科外来で左SGBを開始した. 7回目のSGBを行った頃より左眼の変視症と色覚異常の改善を徐々に自覚するようになった. 約半年間の計23回のブロック後には, 色覚異常と変視症は著明に改善し, 視力もさらに改善して軽度の小視症を残すのみとなった. 陳旧性の視神経炎でも積極的にSGBを試みる価値があると考える.