著者
齋藤 政則 篠山 浩文 齋藤 明広 篠山 浩文 安藤 昭一 シノヤマ ヒロフミ 齋藤 明広 Akihiro Saito サイトウ アキヒロ 知久 和寛 Kazuhiro Chiku チク カズヒロ 安藤 昭一 Akikazu Ando アンドウ アキカズ
出版者
千葉大学園芸学部
雑誌
食と緑の科学 (ISSN:18808824)
巻号頁・発行日
no.64, pp.35-41, 2010-03

市販されている各種糸状菌由来の糖質分解酵素剤に注目し、加水分解活性が弱く配糖化活性が強い酵素の有無を調べ、その精製を試みた。その結果、Trichoderma sp.由来の市販キシラン分解酵素剤に、キシランのみを基質とした場合、その加水分解活性がないにも関わらず、キシランとカテコール共存下ではキシランを分解しカテコールを配糖化する酵素が認められた。本酵素は分子量約73,000の単量体で機能するものであり、20残基のN末端アミノ酸配列は既知のキシラナーゼと相同性が認められなかった。これらの諸性質から本酵素は新規であることが示唆された。至適pHと至適温度はそれぞれ4.0と40℃であった。
著者
安藤 昭一
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1995

1 Bacillus circulans MH-K1キトサナーゼの立体構造の解明本キトサナーゼの遺伝子を大量発現系に組み込んで生産・精製した酵素を用いて結晶化実験を行なった結果、硫安を沈澱剤として用いたときに直方体の結晶が得られた。その空間群はP21212でユニットセル・パラメーターはa=57.7,b=43.3,c=128.0Aであった。このnative結晶の解析を進めると同時に重金属置換体の取得を試みた結果白金の置換体が最も解析に良好であった。この置換体を用いてMAD法により回折データを取得し解析を行なった所、3.0Aの解像度で電子密度地図が得られた。現在α-helixの特定が可能となり、β-sheetの特定を行なっている。これにnative結晶の電子密度地図を重ねて精密化してゆく予定である。2 部位特異性変異による変異キトサナーゼの生産と触媒アミノ酸の特定MH-K1キトサナーゼの触媒アミノ酸部位を一次構造の保存性とリゾチームとの相同性から推定し、そのアミノ酸を改変した変異体酵素を生産させ酵素活性を測定した。合計10個のアミノ酸の改変を行なった結果、37番目のGluと55番目のAspが触媒アミノ酸として可能性が高い事が示された。また52番目のAspが触媒活性に関与しているらしい。3 その他の由来のキトサナーゼのクローニング等Nocardioides sp. K-01株のキトサナーゼ遺伝子のクローニングを試みた結果、部位遺伝子が取れた。これと蛋白から決定された一次構造により、本キトサナーゼの一次構造が決定された。