著者
安藤 義則
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.107, no.5, pp.300-305, 2012 (Released:2017-12-12)
参考文献数
18
被引用文献数
1 3

本格焼酎は日本古来の蒸留酒として,主に南九州で生産消費されてきた。1965年頃から現在に至る焼酎ブームにより全国に拡がり,日本の代表的な蒸留酒となってきた。本格焼酎は原料由来の独特な風味を持っているが,業界では消費者嗜好にあった焼酎の開発,研究が進められてきた。本格焼酎の中で,穀類焼酎は原料風味を弱く,芋焼酎・黒糖焼酎は原料の香味を強くする方向に流れになってきたが,香味成分の研究により原料の特徴の弱いあるいは強い商品など多様な商品群ができて欲しい。近年分析技術の進歩により,その原料風味の解明がなされるようになってきたので,今回は本格焼酎の香味成分の研究を紹介していただいた。
著者
趙 新洛 安藤 義則
出版者
日本結晶成長学会
雑誌
日本結晶成長学会誌 (ISSN:03856275)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.377-383, 2005-12-31

アーク放電法は,安くて高結晶性単層カーボンナノチューブ(SWNTs)を作製できる有力な方法である.この解説では,アーク放電法によるSWNTsの成長条件をレビューすると共に,SWNTsの精製方法にも言及する.一方法として,陽極に対して約30°の鋭角に陰極を配置することによって,陰極堆積物を大幅に減らすことができた.蒸発された陽極の8割が綿状のカーボン煤になり,1分当たりの生成量は約1グラムに達した.他方,高純度・高結晶性SWNTsは,H_2ガスを含んだ混合ガス(H_2-Ar,H_2-N_2,H_2-Ne,H_2-Kr,H_2-Xe)中で,1at%Fe触媒入りカーボン電極のアーク放電蒸発によって大量作製された.作ったままのSWNTsは,大量精製法である液相法によって簡単に精製でき,90at%以上の高純度のものが得られた.