著者
高橋 識至 三塚 由佳 飯田 聡美 安達 哲也
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.186-192, 2012-10-31 (Released:2016-04-25)
参考文献数
9

自己管理教育の主要項目としてアクションプランを用いた増悪への対処法を指導した慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者45名(77.5±6.5歳,%FEV1.0 45.6±15.3%)のアウトカムを検討した.アクションプラン設定前後1年間の療養日誌が検討可能であった33名においては,増悪回数に有意な変化はなかったが,予定外受診回数(1.1±1.4→0.4±0.7/年)および入院回数(0.7±1.0→0.3±0.5/年)の有意な減少を認めた.療養日誌の検討不能であった12名においては診療録から検討をしたところ,有意な変化はなかった.アクションプラン設定前後ともに増悪がみられた18名において,治療開始までの日数(4.2±1.9→2.4±1.2)および回復までの日数(11.5±3.3→7.2±2.1)ともに短縮効果を認めた.アクションプランを指導強化した自己管理指導は,COPD増悪への早期対応を可能とし,早期回復および重症化の予防効果を期待できると考えた.