著者
古後 晴基 村田 伸 村田 潤 安部田 章 上城 憲司
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.19-22, 2012 (Released:2013-03-08)
参考文献数
8

本研究は,健常成人女性12名(年齢21.3±0.6歳)を対象に,マッサージによる末梢循環動態に与える影響を検証する目的で,マッサージ前後の足趾容積変動およびサーモグラフィーによる手背部皮膚温度分布の変化を調査した。15分間の安楽座位を対照課題とし,実験課題は15分間のマッサージ(肩部,腰背部,下腿部)を実施した。その結果,マッサージ実施後の足趾容積変化量は,-0.83±0.26ml/100ml/?(平均±標準誤差)であり,有意に減少した(P<0.05)。皮膚温度分布の変化は,安楽座位およびマッサージ有のいずれにおいても上昇傾向を示したが,有意な差は認めなかった。これらのことから,マッサージによる末梢循環動態の受ける影響は,下肢のむくみ軽減や皮膚温度の変化を反映することが示唆された。