著者
安齊 祐美 荒木 章子 牧野 昭二 中谷 智広 山田 武志 中村 篤 北脇 信彦
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.74-85, 2012-02-01
被引用文献数
1

本論文では,音源信号のスパース性に基づき,時間周波数バイナリマスク(BM)を用いる音源分離手法におけるミュージカルノイズの低減を目的とした,分離音声のケプストラムスムージング(CSS)を提案する。CSSは,近年提案されたスペクトルマスクのケプストラムスムージング(CSM)で用いられるケプストラム領域でスムージングする考え方と,ケプストラム表現による音声特性の保持の制御という観点では,マスクではなくBMによって得られた分離音声を直接スムージングする方が好ましいという仮説とに基づいている。また,従来法(CSM)や提案法(CSS)と他のミュージカルノイズ低減手法の性能を実験により比較する。CSSでは,CSMと同程度のミュージカルノイズ低減性能を有し,更に目的音声の歪の小さい分離信号が得られた。