著者
宗林 由樹
出版者
日本海洋学会
雑誌
海の研究 (ISSN:09168362)
巻号頁・発行日
vol.25, no.6, pp.145-155, 2016-11-15 (Released:2018-10-25)
参考文献数
23
被引用文献数
1

海洋の微量元素は,海洋生物の微量栄養塩,現代海洋のトレーサー,古海洋研究のプロキシ(代替指標)としてきわめて重要である。しかし,海洋の微量元素は,濃度が低い,共存物質が測定を妨害する,採水から測定までの間に目的元素が汚染混入するなどの理由により分析が難しかった。著者は,簡便かつ精確な新しい分析法を開発し,それらを海洋研究に応用してきた。本稿では,以下の二つの内容について詳しく述べる。(1) 海水中アルミニウム,マンガン,鉄,コバルト,ニッケル,銅,亜鉛,カドミウム,鉛の多元素分析法の開発とその応用。(2) 海水中銅安定同位体比分析法の開発とその応用。これらの方法は,新しいキレート樹脂NOBIAS Chelate-PA1と誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)に基づいている。その分析結果の精確さは,国際共同観測計画GEOTRACESの相互較正などを通して確証された。さまざまな元素の濃度比,および濃度と安定同位体比の情報が利用できるようになり,海洋の生物地球化学サイクルに関する理解がますます深まりつつある。
著者
辻阪 誠 高野 祥太朗 平田 岳史 申 基澈 村山 雅史 宗林 由樹
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2017年度日本地球化学会第64回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.45, 2017 (Released:2017-11-09)

海底堆積物中の元素濃度や同位体比は,堆積物が堆積した時代の海洋組成を反映するため,古海洋復元の重要なプロクシとなる.本研究では,北海道岩内町沖で航洋丸にて1998年11月に採取された日本海中層海底堆積物IWANAI No.3(43°22’36.0N