- 著者
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実近 憲昭
- 雑誌
- 全国大会講演論文集
- 巻号頁・発行日
- vol.第33回, no.パターン処理および人工知能, pp.1325-1326, 1986-10-01
碁はその巨大な問題空間の為、従来チェッカやオセロ等の中規模のゲームでは成功した平板な探索指向型のアプローチは通用しない。探索型に代わるものとして、人間の思考形態或は知覚形態を直接模倣する立場をとるプログラムが現れた。現在開発中の碁プログラムGO.1もこの立場をとっている。ここでは探索指向型に対比して知識指向型という用語を用いる。碁プログラムが知識指向型となることは必然とは言え、探索部分を完全に除いてしまうことは出来ない。なぜなら碁に関する知識は完全には組織化されてはいないし、また微細なレベルまで知識を網羅することも殆ど不可能だからである。むしろ、状況に応じて、組合せ的爆発が生じない範囲で局所的に探索を行い、知識の代用とした方が効率が上がる。以下、探索を局所的に限定し、モジュール化する上での問題点について述べる。