著者
堤内 要 室屋 裕佐
出版者
中部大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2020-07-30

本研究では放射性廃棄物汚染の浄化、放射性廃棄物の濃縮、そして濃縮放射性廃棄物からのエネルギー生産を目的として、2つの課題に取り組む。1つは、放射性核種を捕捉できるような化学修飾を施した磁性微粒子の開発であり、磁石の力を用いて汚染水や汚染土壌の浄化を効率よく行う方法を確立する。2つ目は、水の放射線分解である。ナノ粒子を用いて水の放射線分解を行い、水素を高効率で生成させる検討を行う。
著者
山下 真一 藤本 宏涼 林 銘章 室屋 裕佐 何 輝 ラドスロウ ワーフ 勝村 庸介 村上 健
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.503, 2004

近年、国内では高エネルギーイオンビームのRBE特性を活用した癌治療が行われるようになった。高エネルギーイオンビームによる放射線分解の理解は放射線治療の基礎の観点から重要であるが、これに関する報告はほとんどない。本研究ではGeV級重イオンビームによる水の放射線分解G値の測定と、イオンの飛跡に形成されるトラック構造について、低エネルギーイオンビームの場合と比較検討した。
著者
室屋 裕佐
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.66, no.10, pp.425-435, 2017-10-15 (Released:2017-10-15)
参考文献数
23
被引用文献数
4

水や水溶液の放射線化学研究は,放射線の発見から間もない20世紀初頭から長年にわたって続けられてきた。工学,医学等に幅広く共通する課題を含み,初期過程から最終生成物に至るあらゆる過程が調べられてきたが,溶媒和等の高速過程や374°C以上の高温での超臨界水中での反応機構など,なお未知の素過程を内包し,1世紀以上経った今でも研究対象であり続けている。本節では,水や水溶液の放射線化学の歴史や基礎過程,アプローチを含めた研究全体について解説する。