著者
西尾 由香 渡邊 浩幸 宮上 多加子 村上 尚 松田 幸彦
出版者
公益社団法人 日本栄養士会
雑誌
日本栄養士会雑誌 (ISSN:00136492)
巻号頁・発行日
vol.63, no.11, pp.617-626, 2020 (Released:2020-11-01)
参考文献数
27

統合失調症入院患者は、一般成人と比べて低体重の割合が高いと報告されている。しかし、本疾患と低体重に関する要因は、明らかにされていない。そこで本研究は、細木ユニティ病院(現 細木病院こころのセンター)入院患者のカルテより60歳以上の高齢者で統合失調症およびその他の精神疾患を持つ患者を対象として、年齢・性別・入院時体重・現在の体重・入院期間・既往症等について、低体重とその要因との関連性を明らかにすることを目的とした。男女合算の解析では、入院期間20年未満(男性34人、女性74人)と同47年未満(男性37人、女性76人)において、体重変化率と有意な負の相関性が認められた。甲状腺機能低下症の患者を除した場合も同様の結果が得られた。精神科入院患者における体重減少において、入院期間の長期化との関連性が認められたが、栄養状態を示す血液データとの関連性は見出されなかった。今後、低体重化予防のために、入院期間を念頭に置いた対応を行うことが重要である。
著者
宮上 多加子 河内 康文 田中 眞希 辰巳 裕子 野村 脩 臼杵 百合子 佐々木 則枝 山崎 和子
出版者
高知県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では,福祉・医療分野における準専門職の経験学習プロセスを明らかにするとともに,準専門職の「仕事の信念」の構造および経験との関係を明らかにすることを目的とした.資格として,介護福祉士・准看護師・保育士を取り上げ,社会人学生および現場の職員に対する個別面接調査により得られたデータを質的記述的に分析した.準専門職の経験学習は,コルブ(Kolb,K)が示しているサイクルをらせん状に辿るプロセスとして確認できた.「仕事の信念」は,「自身の力量向上への志向」と「ケア対象者への志向」に類型化され,2つの志向性は3資格ともに学生時代から保持していた.