著者
宮上 多加子 河内 康文 田中 眞希
出版者
高知県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01 (Released:2014-04-04)

平成28年度は、前年度に実施した看護専門課程学生調査、准看護師調査の結果分析と公表を行った。「看護専門課程で学ぶ学生の経験学習と仕事の信念に関する質的研究」(宮上・田中 2017)では、入学前に福祉・医療分野での職業経験のある看護専門課程学生12人に対してインタビュー調査を行い、看護学生の経験学習の様相は、Kolbの経験学習プロセスに対応した5つの局面としてまとめられた。看護の仕事に対する認識の特徴として、ケアの経験を通して得た「人に対する思い」を基盤に置きつつ、「自分に対する思い」としては、自分が意図する看護実践のために力量を向上させる必要性を強く感じており、仕事の信念の変容と再形成が示唆された。「准看護師のキャリアと仕事及びケアに関する認識―福祉・医療現場で働く准看護師への調査を通して―」(田中・宮上 2017)では、福祉・医療現場で勤務する准看護師12人に調査を行った結果、准看護師は、養成校で学んだ看護の知識だけでなく、社会人経験や人生経験を活用しつつ職務を遂行していることが明らかになった。また、業務において准看護師と看護師に区別はないと認識しており、知識不足や責任の重さを感じていた。平成28年度調査は、保育士養成校に通う社会人経験のある学生15人に対して調査を実施した。経験学習についての語りを分析した結果、5つの局面における11カテゴリーが析出された。
著者
清原 泰治
出版者
高知県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01 (Released:2013-05-31)

1950年代、「昭和の大合併」後、地域住民の融和を図ることを目的に、市町村民運動会が開始された。県行政は、運動会で実施する種目を提案したり、自治体に配置した体育指導委員に運営を担わせるなど、市町村民運動会の開催を推進した。初期の段階では、地区対抗方式による運営方法のために、住民間の対抗意識が助長され、トラブルが問題となる。主催者は、トラブルを防ぐために、娯楽性の強い種目を取り入れたり、採点方法を工夫するなどして、円滑な実施を図った。このような運営上の工夫もあって、この時期に市町村民運動会は地域に定着する。
著者
山中 福子 下元 理恵 山田 覚
出版者
高知県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01 (Released:2014-04-04)

慢性腎臓病(CKD :chronic kidney disease )は、症状が少ないため、自分の身体に意識が向けにくく、さらに生活習慣の改善をすることが生活上の不自由さにつながるため、療養行動を継続していることが難しい。本研究では、疾患を悪化させないように患者自らが取り組んでいる生活上の体験を看護支援の中心にとらえ、一般医療施設と腎疾患専門施設の外来看護師の連携による看護支援を明らかにすることである。27年度は、前年度の文献検討で明らかになった CKD患者の体験をもとにインタビュー調査を行った。また、CKD患者に関わっている看護師へのインタビュー調査を行った。インタビュー調査の結果、CKD患者は、身体状態の不調の捉えにくさ、療養行動による成果の実感のなさ、終わりがない療養行動のつらさ、苦痛を伴う検査や透析に脅かされるといった療養上の不自由さ、閉塞感を体験していた。一方で、悪化させないように周囲の資源(専門職者、家族、同病者など)をうまく活用し、自分にあった方法を見出し、生活をしやすく工夫している卓越した患者も存在していた。しかし、CKDの原因疾患によっては、患者の体験には違いがみられることが推測された。さらにインタビューを行いその違いを検討する必要があると考える。看護師へのインタビュー調査の結果、看護師は、CKD患者への直接的なケアと間接的なケアの実践について語られた。直接的なケアは、モニタリング、療養行動の取り組みへの援助、精神的援助などであった。間接的なケアは、受診行動が継続するための調整やその人に必要な資源(専門職者)への橋渡しなどであった。ケアの内容を専門的なケアと日常的なケアに分類するため、さらにインタビューを行う必要があると考える。
著者
杉原 俊二
出版者
高知県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010 (Released:2010-08-23)

うつ経験者の回復期支援として4テーマ分析法(以下、4T法)を10 名に実施し、8名(男6名、女2名)は中断なく終えることができた。手順をマニュアル化した。 初回面接(面接の手順と調査協力の承諾)。第2回面接では、 対象者の年表を調査者と一緒に作成した。うつ経験者では、「発症前」「発症時」「治療期」「リハビリ期」とテーマを一定にした。第3回~第6回面接(4T法の実施1テーマ1回) 。第7回面接(振り返り)。語られた内容を文章化して、 2人で読み合わせ内容の検討。第8回面接(終了面接)。これまでの面接内容を振り返り。
著者
野嶋 佐由美 中野 綾美 池添 志乃 畦地 博子 田井 雅子 畠山 卓也 升田 茂章 槇本 香 小松 弓香理 岩瀬 信夫 山口 桂子 服部 淳子 岩瀬 貴子 濱尾 早苗 坂本 章子 中山 洋子
出版者
高知県立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01 (Released:2010-08-23)

本研究は医療施設及び専門看護師(以下、CNS)と研究―臨床の連携のシステムを構築し、『家族看護エンパワーメントガイドライン』の臨床への導入と看護介入の評価の検証を行うことを目的として行った。CNSは家族の問題を瞬時に判断し、情緒的支援を行いながら、家族の意思決定の支援や日常生活・セルフケアの強化、対処行動や対処能力の強化等の介入を融合しながら実践していた。介入によって家族の生活にも好循環が生まれていた。さらにCNSは、他の看護師や病棟全体の変化をもたらしていた。また一般看護師の本ガイドラインに沿った家族看護実践の実態として家族行動力を強化していく項目の実践度が高いことが見出された。
著者
清原 泰治 西村 秀樹 米谷 正造 五百蔵 高浩
出版者
高知県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009 (Released:2009-04-01)

本研究は、伝統的な地域スポーツ・イベントがまちづくりに果たした役割を考察した。「昭和の大合併」を経て、地域住民の「融和」が行政課題となった高知県内の各自治体において1950年代に行政主導で始まった市町村民運動会は、新たなまちづくりを担うことを期待されるスポーツ・イベントであった。一方、地域の伝統的な相撲大会は、住民によって主体的に運営され、地域社会を維持していくためのつながりを強化・継承する機能を持っていた。
著者
三浦 要一
出版者
高知県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009 (Released:2009-04-01)

明治30年の古社寺保存法の制定後は、特別保護建造物の資格あるものが定められ、保存修理事業が開始された。明治以降に解体修理が竣工した古社寺建造物は、建立当初の建築形式を解明するために、文献資料から検討を加えることが必要になる。本研究は四国地方の4つの寺院を事例に、文化財修理の方針とその内容を明らかにした。本研究は古社寺建造物の修理に関する文献研究の有用性を提示し、今後の基礎資料になるものである。
著者
中野 綾美 池添 志乃 益守 かづき 高谷 恭子 首藤 ひとみ 佐東 美緒
出版者
高知県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010 (Released:2010-08-23)

子どもの脳死に直面した家族が辿る苦悩に満ちた意思決定プロセスを支えるケアガイドラインの開発を目的とした。臓器提供を行った家族の 10 編の手記、子どもの看取り又は臓器移植をした家族への看護を看護師 13 名に面接調査し質的に分析した。その結果と家族看護エンパワーメントガイドラインを活用し、研究者と小児看護や家族支援 CNS、小児救急看護 CN の 12 名でブレインストーミングを実施した結果、家族が子どもの最善を考えるケアガイドラインを検討し、今後、洗練化が課題である。