著者
宮原 史 堤 盛人
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.22-00132, 2023 (Released:2023-01-23)
参考文献数
23

高齢化が進行するインフラを保全してゆくためには,必要な技術力を有する技術者が継続的に確保できるように,研修を評価し,改善するマネジメントの方法論を確立する必要がある.しかし,インフラの保全は暗黙知に支えられている部分も大きいと言われるように,研修の効果を評価しようにもそもそも目標となる技術力の全体像や構成要素が明らかでないことが課題となる.そこで本研究では,教育分野で開発されたブルーム・タキソノミーの枠組を用いて筆者らが先行研究にて具現化した技術力の一例を用いて,道路橋の点検に関する研修の技術力向上効果を評価するとともに,改善案を立案し得ることを示す.そして,インフラの維持管理に関する研修を評価,改善する方法論を提示する.
著者
宮原 史 堤 盛人
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集H(教育) (ISSN:18847781)
巻号頁・発行日
vol.78, no.1, pp.20-37, 2022 (Released:2022-03-20)
参考文献数
34

社会資本の整備や維持管理を支える土木技術者の力量,すなわち技術力は,学校教育や研修のみならず様々な業務上の経験を通じた学習によって向上すると考えられる.しかし,これまでのところ,土木技術者の技術力と“経験”の関係については十分な考察がなされていない.土木技術者の戦略的な人材育成を実現するためには,様々な経験の技術力向上効果を明らかにするとともに,経験を人材育成のシステムに組み込む方法を確立する必要がある.本研究ではその手始めとして,道路構造物を維持管理する技術力の向上を目的とした地方整備局職員の研究所への出向経験に着目し,インタビュー結果の分析に基づき経験を通じた学習内容と技術力向上効果を整理する.また,これらの整理を踏まえて,経験を人材育成のシステムに組み込む方法論を提示する.