著者
広瀬 直人 前田 剛希 恩田 聡 正田 守幸 宮城 一菜 和田 浩二 太田 英明
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.81-89, 2017
被引用文献数
6

<p>シークワシャー搾汁残渣を原料として,市販シークワシャー果汁と同程度の7.5mg/100mLのノビレチンを含有するシークワシャー抽出酢の製造条件を開発した.</p><p> (1)搾汁残渣より種子とじょうのう膜を除去して搾汁果皮を調製し,乾燥処理を行わずに醸造酢で抽出すると,ポリメトキシフラボン類を含有し,リモニンが少なく苦味が弱い抽出酢が得られた.</p><p> (2)搾汁果皮20% (w/w)と醸造酢80% (w/w)を用いると,ノビレチンを7.5mg/100mL含有する抽出酢が得られた.抽出処理の破砕回数は10秒間で4∼5回が適した.</p><p> (3)抽出酢を常温保存すると,ポリメトキシフラボン類は安定であったが,モノテルペン類は急激に減少し,モノテルペンアルコール類は緩やかに減少した.</p>