著者
後藤 和久 飯嶋 耕崇 和田 浩二 今村 文彦 常 昱
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会誌遊星人 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.207-213, 2013-12-25 (Released:2017-08-25)

天体が海洋に衝突した場合,巨大津波の発生が懸念される.本稿では,太平洋への隕石落下頻度を検討し,数値計算に基づき日本への衝突津波リスク評価を予察的に行った.その結果,他の災害に比べれば衝突津波の発生頻度は低いものの,現実的な災害リスクとして認識する必要があることがわかった.衝突津波のリスクは確率的に評価が可能なため,現在の量的津波予報のような形でデータベース化することが可能であると考えられる.将来的には,衝突から津波伝播・遡上までの一連の過程の計算を連続的に行うことが望ましい.数値計算技術の高度化が進めば,火星の古海洋の存在可能性の検討など,惑星科学分野での応用範囲も広いと考えられる.
著者
荒川 政彦 和田 浩二 はやぶさ2 SCI/DCAM3 チーム
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会誌遊星人 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.152-158, 2013-09-25 (Released:2017-08-25)

はやぶさ2には小型の衝突装置(SCI)が搭載されており,これは秒速2kmで小惑星表面に衝突してクレーターを形成する.このクレーターは小惑星内部を覗くための小窓であり,リモートセンシング観測やサンプル回収から,小惑星表面の宇宙風化や浅内部構造に関する知見を得る.一方, SCIが衝突する様子は分離カメラ(DCAM3)により撮影され,イジェクタカーテンの拡大する様子や小惑星周囲を飛び交うダストを観察する. SCIによる小惑星への衝突は宇宙衝突実験ともいえる.我々はこの世界で最初の小惑星における宇宙衝突実験の機会を利用して,微小重力下における「本物の小惑星物質」のクレーター形成過程を明らかにする.
著者
倉本 圭 川勝 康弘 藤本 正樹 玄田 英典 平田 成 今村 剛 亀田 真吾 松本 晃治 宮本 英昭 諸田 智克 長岡 央 中川 広務 中村 智樹 小川 和律 大嶽 久志 尾崎 正伸 佐々木 晶 千秋 博紀 橘 省吾 寺田 直樹 臼井 寛裕 和田 浩二 渡邊 誠一郎 MMX study team
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会誌遊星人 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.207-215, 2018-09-25 (Released:2018-12-21)

火星衛星Phobosからのサンプルリターンに挑む火星衛星探査計画 (Martian Moons eXploration: MMX) は,現在,宇宙航空研究開発機構 (JAXA) プリプロジェクトとして,2024年の打ち上げと5年の往還期間を設定し,精力的な検討・初期開発が進められている.MMXは,サンプル分析,Deimosを加えた火星衛星の近接観測,そして火星大気および火星圏のモニタリング観測を組み合わせることにより,惑星に寄りそう衛星という切り口と視座から,太陽系における大気と水を湛えたハビタブル惑星の形成と進化の解明に迫ろうとしている.
著者
久留 ひろみ 玉置 尚徳 和田 浩二 伊藤 清
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.105, no.11, pp.741-748, 2010 (Released:2016-02-04)
参考文献数
20

実験室(鹿児島大学)及び奄美大島でミキを調製し,並びに市販のミキを購入した。それらのミキ中の乳酸菌を16SリボゾームDNA解析により同定した。実験室で調製したミキ中の乳酸菌を30種同定したが,全てLactococcus lactis subsp. lactisと同定された。しかし,奄美大島で調製したミキ中の乳酸菌(6種を同定)は実験室由来のものとは異なり,Leuconostoc lactis(3/6), Leuconostoc citreum(2/6)及び Lactococcus lactis subsp. lactis(1/6)であった。また,市販のミキ中の乳酸菌(6種を同定)はLeuconostoc citreum(5/6)及びLeuconostoc mesenteroides(1/6)であった。これらの結果は,ミキ中の乳酸菌は原料サツマイモや環境の違いによって異なることを示しているが,詳細な調査は今後の課題である。Lactococcus lactis subsp. lactisはナイシンの生産菌として知られているが,ミキ中のLactococcus lactis subsp. lactisもナイシンを生産した。ミキ中のバクテリアには乳酸菌の他に好気性菌も存在するが,ミキ培養の後半には好気性菌(CaCO3プレート上でのハロー非形成菌)の存在はなくなり,乳酸菌3(ハロー形成菌)だけでフローラを形成した。乳酸菌のスターターを使用することにより,ミキ初期の好気性菌の存在を大幅に低減した。スターターの使用は,ミキを安定的に製造する上で重要であると判断した。
著者
氏原 邦博 吉元 誠 和田 浩二 永井 竜児 広瀬 直人 照屋 亮
出版者
日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.343-349, 2009-06-15
参考文献数
15
被引用文献数
1 3

黒砂糖の色調,栄養成分,機能性成分および食味等に搾汁機のローラーの材質およびライミング処理が及ぼす影響を調査し,以下の結果を得た.<BR>(1) 市販黒砂糖の暗色化の原因は,搾汁機のローラー由来の鉄とライミング処理によるものであり,これらがアミノカルボニル反応を促進することで着色が進み,暗色化していることが明らかとなった.搾汁機のローラーの材質をステンレスに換え,ライミング処理しないことにより,黒砂糖の色調は明るくなった.<BR>(2) ステンレス製ローラーで搾汁し,ライミング処理しない黒砂糖は鉄製ローラーで搾汁し,ライミング処理した黒砂糖よりも鉄含量とカルシウム含量は少なかったが,スクロース含量,アミノ酸組成,カリウム含量,マグネシウム含量および機能性成分であるポリフェノール含量は同程度であった.<BR>(3) ステンレス製ローラーで搾汁し,ライミング処理しない黒砂糖の明るい色調は消費者に好まれ,食味は苦味,えぐみ等が改善されたことにより評価が優れ,料理への適性も高いと考えられた.
著者
広瀬 直人 前田 剛希 和田 浩二 高橋 誠
出版者
一般社団法人 日本食品保蔵科学会
雑誌
日本食品保蔵科学会誌 (ISSN:13441213)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.143-148, 2013 (Released:2022-03-19)
参考文献数
24

To examine the possibility of using guava fruits as an ingredient in daily-use ketchup with food functionality, we prepared purees of eight pink guavas that were obtained from different areas in Okinawa and their chemical and physical compositions by measuring the Brix, pH, and color. The eight kinds of guava purees showed little difference in their compositions, Brix, pH, and color values. In addition, the purees maintained their color values after heating at 80℃ for 5 min. The guava puree was then treated with pectinase to decrease the puree viscosity. The viscosity of the puree treated with pectinase (0.24 Pa・s) was lower than that of the untreated puree (0.6 Pa・s). The guava ketchup was prepared using the untreated guava puree. In the sensory evaluation, the guava ketchup scored low for sourness because the citric acid content was lower than that in the commercial tomato ketchups. To evaluate the antioxidant activity, guava ketchups prepared using guava purees with and without pectinase treatment (GK-P and GK, respectively) were examined for total polyphenol contents and DPPH radical-scavenging activities. The total polyphenol content and DPPH radical-scavenging activities were higher in guava ketchups than in the commercial tomato ketchups. Interestingly, GK-P showed significantly higher radical-scavenging activity than GK. These results suggest that guava fruits have the potential to be used in the manufacturing of ketchup, which could serve as an antioxidant food.
著者
荒井 朋子 川勝 康弘 中村 圭子 小松 睦美 千秋 博紀 和田 浩二 亀田 真吾 大野 宗佑 石橋 高 石丸 亮 中宮 賢樹 春日 敏測 大塚 勝仁 中村 智樹 中藤 亜衣子 中村 良介 伊藤 孝士 渡部 潤一 小林 正規
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会誌遊星人 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.239-246, 2012
参考文献数
54

地球近傍小惑星(3200)Phaethonは,ふたご座流星群の母天体であるが,彗星活動は乏しく,彗星と小惑星の中間的特徴を持つ活動的小惑星(あるいは枯渇彗星)と考えられている.また,ふたご座流星群のスペクトル観測から報告されているナトリウムの枯渇及び不均質は,太陽加熱の影響よりも局所的部分溶融を経た母天体の組成不均質を反映している可能性が高い.部分溶融の痕跡を残す原始的分化隕石中に見られる薄片規模(mm-cmスケール)でのナトリウム不均質は,上記の可能性を支持する.従って, Phaethonでは局所的な加熱溶融・分別を経験した物質と,始原的な彗星物質が共存することが期待される. Phaethonは,太陽系固体天体形成の最初期プロセスを解明するための貴重な探査標的である.また,天文学,天体力学,小惑星・彗星科学,隕石学,実験岩石学などの惑星科学の多分野に横断的な本質的課題解明の鍵を握る理想的な天体である.本稿では,小惑星Phaethon及び関連小惑星の科学的意義と探査提案について述べる.
著者
和田 浩二 上原 真希子 高良 健作 當銘 由博 矢野 昌充 石井 利直 太田 英明
出版者
Japan Association of Food Preservation Scientists
雑誌
日本食品保蔵科学会誌 (ISSN:13441213)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.29-33, 2006-01-31 (Released:2011-05-20)
参考文献数
18
被引用文献数
2 4

シークヮーサー果汁中のノビレチンの定量法を設定するとともに, 果汁製造工程におけるノビレチン含量の変化について分析した。果汁試料を遠心エバポレータで濃縮し, 抽出溶媒にMeOHを用いることで高いノビレチンの抽出効率が得られた。さらにHPLC分析では定量下限0.1mg/100g, 変動係数1.8%と十分な正確さ, 精度を有することを明らかにし, 本法がカンキツ果汁全般のノビレチンの分析法として応用可能であることを示した。一方, ノビレチンはシークヮーサー果実の果肉部位にはほとんど含まれていないことから, 全果搾汁方式による果皮から果汁への移行成分であることを確認した。また, ノビレチンは果汁中では液体部分と含有するパルプなどの不溶性固形部分の両方に存在することから, その含量は果汁製造工程でのパルプ除去に関連する遠心分離処理の影響を大きく受けることが明らかになった。
著者
荒川 政彦 和田 浩二 はやぶさ2 SCI/DCAM3 チーム
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会誌遊星人 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.152-158, 2013

はやぶさ2には小型の衝突装置(SCI)が搭載されており,これは秒速2kmで小惑星表面に衝突してクレーターを形成する.このクレーターは小惑星内部を覗くための小窓であり,リモートセンシング観測やサンプル回収から,小惑星表面の宇宙風化や浅内部構造に関する知見を得る.一方, SCIが衝突する様子は分離カメラ(DCAM3)により撮影され,イジェクタカーテンの拡大する様子や小惑星周囲を飛び交うダストを観察する. SCIによる小惑星への衝突は宇宙衝突実験ともいえる.我々はこの世界で最初の小惑星における宇宙衝突実験の機会を利用して,微小重力下における「本物の小惑星物質」のクレーター形成過程を明らかにする.
著者
広瀬 直人 小野 裕嗣 前田 剛希 和田 浩二
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.27-31, 2019
被引用文献数
2

<p>試験用黒糖製造において,仕上加熱工程と冷却撹拌工程を連続して実施できる,卓上型の黒糖試験製造装置を開発した.この装置は,PC制御されたマイクロヒーターと水道水利用の冷却管を備えた加熱冷却容器,および撹拌トルクを検出できる撹拌装置から構成される.この試験製造装置を用いて黒糖を試作する過程で,冷却撹拌工程の終了時に品温が上昇する現象を見出した.この品温上昇は,温度上昇幅と糖蜜の推定比熱からショ糖の結晶熱が要因と推測された.</p>
著者
中村 昭子 和田 浩二 木内 真人 大村 知美 Guettler Carsten
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

小天体レゴリス層での衝突クレーター過程を理解するために、模擬低重力衝突実験装置を開発し、低速度衝突クレーター形成実験を、0.01-1 G の範囲で大気圧下と 10 Pa 以下で行った。クレーター直径は、重力加速度の約 -0.2 乗に比例することがわかった。また、粉粒体層の空隙率の重力依存性に関する経験則を得た。一方、重力が減ってもクレーター直径があまり大きくならない、粒子間力が卓越する場合があることも実験的に示した。一方で、衝突時の放出物量は、反発係数や摩擦係数といったエネルギー散逸をもたらす粒子間相互作用によらないことが数値シミュレーションで示された。
著者
広瀬 直人 前田 剛希 恩田 聡 正田 守幸 宮城 一菜 和田 浩二 太田 英明
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.81-89, 2017
被引用文献数
6

<p>シークワシャー搾汁残渣を原料として,市販シークワシャー果汁と同程度の7.5mg/100mLのノビレチンを含有するシークワシャー抽出酢の製造条件を開発した.</p><p> (1)搾汁残渣より種子とじょうのう膜を除去して搾汁果皮を調製し,乾燥処理を行わずに醸造酢で抽出すると,ポリメトキシフラボン類を含有し,リモニンが少なく苦味が弱い抽出酢が得られた.</p><p> (2)搾汁果皮20% (w/w)と醸造酢80% (w/w)を用いると,ノビレチンを7.5mg/100mL含有する抽出酢が得られた.抽出処理の破砕回数は10秒間で4∼5回が適した.</p><p> (3)抽出酢を常温保存すると,ポリメトキシフラボン類は安定であったが,モノテルペン類は急激に減少し,モノテルペンアルコール類は緩やかに減少した.</p>
著者
久留 ひろみ 吉崎(尾花) 由美子 玉置 尚徳 和田 浩二 伊藤 清
出版者
公益財団法人 日本醸造協会・日本醸造学会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.105, no.3, pp.167-174, 2010 (Released:2012-02-17)
参考文献数
13

ミキの成分組成について測定を行った。その結果,仕込み後急速に流動性が増し,デンプンがマルトースに加水分解されることがわかった。本加水分解は,酵素に起因するものであるが,本酵素は生サツマイモ中に存在する,β–アミラーゼに由来するものであると推察された。また,仕込み後急速に酸度が増しさわやかな風味が形成されたが,酸の組成としては乳酸と酢酸が主成分であった。また,乳酸については,約70%がD乳酸,約30%がL乳酸であることがわかった。エタノール分については,約1週間経過した後も1%未満であったので,酒類には該当しなかった。
著者
久留 ひろみ 吉崎(尾花) 由美子 玉置 尚徳 和田 浩二 伊藤 清
出版者
公益財団法人 日本醸造協会・日本醸造学会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.106, no.3, pp.157-163, 2011 (Released:2016-06-14)
参考文献数
8

伝統的なミキは,奄美大島の自然飲料である。通常のミキは乳酸発酵が主体であり,酒類には該当しない。ミキのもろみに,焼酎酵母を仕込み初期から加えると,エタノールが生成し,酒類に該当した。しかし,発酵速度は遅く,発酵歩合も低かった。この理由として,糖化の主体が生イモ由来のβ-アミラーゼであり,生成糖のほとんどがマルトースであるためと考えられた。焼酎酵母は麦汁の発酵性が弱いために発酵が遅れると思われた。そこで,マルトースをグルコースに分解するために,焼酎麹を加えた。焼酎麹は多量のα-グルコシダーゼ等を含有するため,マルトースが効率的にグルコースに分解されると思われた。その結果,発酵が順調に推移した。糖組成の変化はHPLCで追跡したが,焼酎麹の添加により,グルコースの生成が認められた。焼酎麹の添加は,発酵歩合が向上する効果ももたらした。
著者
和田 浩二
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 = Journal of the Pharmaceutical Society of Japan (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.122, no.11, pp.929-956, 2002-11-01
被引用文献数
13

The chemical constituents of <i>Aconitum yesoense</i> var. <i>macroyesoense</i> and <i>Aconitum japonicum</i> were examined using high-resolution spectral analysis. Twelve novel alkaloids were isolated from <i>A. yesoense</i> var. <i>macroyesoense</i> together with 20 known alkaloids. Eight novel alkaloids were isolated from <i>A. japonicum</i> together with 15 known alkaloids. An HPLC-atmospheric pressure chemical ionization-mass spectrometry (HPLC-APCI-MS) method was useful for the simultaneous determination of 21 <i>Aconitum</i> alkaloids found in <i>A. yesoense</i> var. <i>macroyesoense</i> and A. <i>japonicum</i>. These compounds were fairly stable under the conditions used, and the protonated molecules or fragment ions characteristic of the molecule appeared as base peaks in the mass spectra and were used for selected ion monitoring. HPLC-APCI-MS is a very promising approach for structural investigations of positional isomers and stereoisomers. This method was applied successfully to stereoisomeric <i>Aconitum</i> alkaloids differing in configuration at C-1, -6, or -12. Comparison of the APCI spectra showed that the abundance of fragment ions was significantly higher for the C-1, -6, or -12 β-form alkaloid than for C-1, -6, or -12 α-form alkaloid. The main alkaloid constituents in the root of <i>A. yesoense</i> var. <i>macroyesoense</i>, <i>Aconitum</i> alkaloids of the C<sub>20</sub>-diterpenoid type, kobusine and pseudokobusine, and their acyl derivatives were examined for their peripheral vasoactivities by measuring laser-flowmetrically the cutaneous blood flow in the hind foot of mice after intravenous administration. It is thought that the hydroxyl groups of alkaloids, especially a free OH group of pseudokobusine at C-6, were important for action on the peripheral vasculature leading to dilatation, and the results indicated that esterification of the hydroxyl group at C-15 with either anisoate, veratroate, or <i>p</i>-nitrobenzoate may contribute to enhancement of the activity of the parent alkaloids.<br>
著者
和田 浩二
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.122, no.11, pp.929-956, 2002 (Released:2003-02-18)
参考文献数
116
被引用文献数
5 13

The chemical constituents of Aconitum yesoense var. macroyesoense and Aconitum japonicum were examined using high-resolution spectral analysis. Twelve novel alkaloids were isolated from A. yesoense var. macroyesoense together with 20 known alkaloids. Eight novel alkaloids were isolated from A. japonicum together with 15 known alkaloids. An HPLC-atmospheric pressure chemical ionization-mass spectrometry (HPLC-APCI-MS) method was useful for the simultaneous determination of 21 Aconitum alkaloids found in A. yesoense var. macroyesoense and A. japonicum. These compounds were fairly stable under the conditions used, and the protonated molecules or fragment ions characteristic of the molecule appeared as base peaks in the mass spectra and were used for selected ion monitoring. HPLC-APCI-MS is a very promising approach for structural investigations of positional isomers and stereoisomers. This method was applied successfully to stereoisomeric Aconitum alkaloids differing in configuration at C-1, -6, or -12. Comparison of the APCI spectra showed that the abundance of fragment ions was significantly higher for the C-1, -6, or -12 β-form alkaloid than for C-1, -6, or -12 α-form alkaloid. The main alkaloid constituents in the root of A. yesoense var. macroyesoense, Aconitum alkaloids of the C20-diterpenoid type, kobusine and pseudokobusine, and their acyl derivatives were examined for their peripheral vasoactivities by measuring laser-flowmetrically the cutaneous blood flow in the hind foot of mice after intravenous administration. It is thought that the hydroxyl groups of alkaloids, especially a free OH group of pseudokobusine at C-6, were important for action on the peripheral vasculature leading to dilatation, and the results indicated that esterification of the hydroxyl group at C-15 with either anisoate, veratroate, or p-nitrobenzoate may contribute to enhancement of the activity of the parent alkaloids.