著者
相原 貴之 後藤 一寿 恩田 聡 安田 宗伸 山城 梢
出版者
The Association for Regional Agricultural and Forestry Economics
雑誌
農林業問題研究 (ISSN:03888525)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.63-68, 2010 (Released:2012-02-24)
参考文献数
2
被引用文献数
1

The Siquasa is a small and acid citrus fruit having a distinctive aroma, which is produced in the northern part of Okinawa. The main commercial by-product obtained from this fruit is 100% juice. Recent years have witnessed an increased leveling-off of the sale of Siquasa by-products and lowering of the price of the raw material, i.e., the fruit. It can be said that the production and product development of the Siquasa fruit have entered into a new phase aiming at securing a steady market position. We presented a model design of Siquasa production and product development in the wake of the boom with the aim of facilitating the abovementioned objective. In Okinawa, a form of Siquasa called “Aogiri” is used as vinegar in August and September. Expanding the sale of Aogiri in mainland Japan would create a new demand and market for the product. However, in order to keep obtaining a higher price for Aogiri, it is necessary to ensure a continuous supply of the quality and quantity of the product that the market demands and to build a committed relationship between the areas of production and the market.
著者
広瀬 直人 前田 剛希 恩田 聡 正田 守幸 宮城 一菜 和田 浩二 太田 英明
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.81-89, 2017
被引用文献数
6

<p>シークワシャー搾汁残渣を原料として,市販シークワシャー果汁と同程度の7.5mg/100mLのノビレチンを含有するシークワシャー抽出酢の製造条件を開発した.</p><p> (1)搾汁残渣より種子とじょうのう膜を除去して搾汁果皮を調製し,乾燥処理を行わずに醸造酢で抽出すると,ポリメトキシフラボン類を含有し,リモニンが少なく苦味が弱い抽出酢が得られた.</p><p> (2)搾汁果皮20% (w/w)と醸造酢80% (w/w)を用いると,ノビレチンを7.5mg/100mL含有する抽出酢が得られた.抽出処理の破砕回数は10秒間で4∼5回が適した.</p><p> (3)抽出酢を常温保存すると,ポリメトキシフラボン類は安定であったが,モノテルペン類は急激に減少し,モノテルペンアルコール類は緩やかに減少した.</p>
著者
井上 裕嗣 米本 仁巳 島川 泰英 松田 昇 恩田 聡
出版者
日本熱帯農業学会
雑誌
熱帯農業 (ISSN:00215260)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.265-269, 2004-12-01

沖縄県におけるアテモヤ'ジェフナー'の立ち枯れの発生要因を調査するため,栽培園の台木と土壌条件を調査した.さらに,冬季出荷を目的に台木が樹の生育および夏季切り返し剪定による着花量に及ばす影響を調査した.その結果,立ち枯れはポンドアップル台木で発生が多く,バンレイシ台でも土壌排水性の不良な園で見られた.台木としてチェリモヤ,アテモヤ,バンレイシを用いて生育させたところ,台木幹周はチェリモヤ,アテモヤ,バンレイシ台木の順で,穂木幹周はアテモヤ,チェリモヤ,バンレイシ台木の順で大きくなった.チェリモヤ台木では台勝ち現象が見られた.樹冠面積と個葉の面積における台木間の違いは台木幹周で見られた台木間の違いと同様な傾向で,バンレイシ台木で有意に小さかった.着花数は,7月および8月剪定ではバンレイシ台木で有意に多く,総着花数も同様の結果であった.以上の結果から,チェリモヤとアテモヤ台木は樹勢が良好で,経済栽培に十分な着花数が得られ,これらは沖縄でのアテモヤ栽培用台木として適しているものと思われた.バンレイシ台木はわい化に有効であるが,排水不良な沖縄の国頭マージ土壌では立ち枯れが発生した.